++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2005年07月19日(火) 昔 子供だった頃

昔 子供だった頃
早く大人になりたかったな。


大人になれば
何でもできるような気がしてた。
大人は自由で好きなように生きられるんだと
そう思ってた。

子供には子供の不自由さとか
息苦しさとかシンドサとか
そういうのがいっぱいあって
だから

大人の自由さが力強さと自信が ただただ羨ましくて
早くこの殻から飛びだしたくて仕方なかった。


大人になって
もう 大人としかいいようのない歳になって
こんなはずじゃなかった大人の不自由さを知って
鎧で覆わなければ弱弱ヘナチョコなココロに
苦笑い。

いや それでも子供の諸君!
こんなはずじゃなかった大人ばかりでもないんだと
思うんだよ。多分。
たまたま わたしが人並み外れて生き方が下手だっただけで。

あの頃の子供のワタシは
今のわたしを見てどう思うだろうか?

飛べもせず此処にいるわたしを見て。
失望させてしまうだろうか。
絶望させてしまうだろうか。


生きることはそれでも たぶん 他に見えないだけで
いつの時代も子供も大人も比べられない
それぞれきっと楽じゃないよね。


こんなはずじゃなかった大人になった わたしだけど
それでも こんなはずじゃなかっただけでもないんだよ。
ワタシからみたら こんなはずじゃなくても
いろんなこといっぱい知って。いろんな人と出逢って。

ああ ねぇ 本当は今 とても辛いんだ。苦しいんだ。
逃げ出したいし。とても疲れていてね。


それでも
それでも さ


全部 無駄だったなんて思ってないんだよ。
それだけは思いたくないんだ。
ワタシから見たら多分 ただの冴えないオバサンのわたし。

けど いっぱい胸(ここ)に貰ったもの詰まってるんだよ。
それは さ 今の わたしだから持てたものでしょ。


だから
だから ね



昔 子供だった頃
早く大人になりたかった。


大人になって
守るものを持って守ることを選んで
その代わり自由を失った。

それでもこれが 
わたしの生きてきた道。
生きて往く道。

子供のワタシがわたしを見てガッカリしても
なんだかね その頭を撫でてやりたいような気がするんだよ。
静かに ただ微笑んで。


夢見てたあの頃の。
夢ばかり見てた。
傲慢で残酷な幼い でも ただただ真っ直ぐな瞳が
何故かイトオシイ。


後悔なら山ほど。リセットボタンあればバシバシ押すね。
でも 戻りたいっていうのとは ちょっと違う。
もう細かい傷やらひび割れで透き通ってはいないし歪だけど。
手に握りしめて歩くには ちょうどシックリくる。
ポケットに入れても すんなり納まるし ね。





ただ 


ふと 
泣きそうに懐かしくなる あの頃。




昔 子供だった頃
早く大人になりたかった。


こんなに早く大人になるなんて思っても無くて。
こんなふうに大人を駆け抜けていくなんて思っても無くて。




昔 子供だった頃



もう 
ずっと 

昔のむかしの

オハナシ。


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                               ゆうなぎ


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