あれは、おいらが専門学校2年生の時でした。 御茶ノ水にあるデザイン系の専門学校に通っていたのですが、 友達も彼女も居なく、ひたすら独りで学校近辺の画廊巡りをしていました。 授業は選択授業で第1希望が通ったものは、面白くて真面目に出ていましたが、 希望通りではない授業はサボってばかりいましたね。 そんなある日の事、突然高校時代の写真部の顧問から電話がありました。
「今写真部の1年生に現像の事教えられる先輩が居ないんだ。 悪いけど今度の土曜日、OBとして指導に来てもらえないかなぁ?」
「丁度土日が休みの学校なので全然構わないですよ〜」
「ありがとう。じゃお願いな」
おいらは御人好しなので、快諾しました。 ちょっと考えたんですが、おいらが3年の時の1年生が辞めたって事か? サカナ系の顔立ちの彼女達は、写真が好きではなかったのでしょうか…
当日1時頃、お土産にスイートポテトとお茶を買ってから懐かしい部室に行きました。 ドアーをノックすると返って来た返事は女の子2人のもの。 おやぁ? これまた伝統のブス2人組かなぁ?と心構えながらドアーを開けると、 そこに居たのは可愛らしい女の子2人。 悪の連鎖は断ち切られていたのです! おいら、心の中でジャンピングガッツポーズ!ヾ(*'∀`*)ノ &トリプルアクセル!!!
先ずは心を打ち解けてもらおうと、お茶&スイーツで談笑。 おいら、昔から人付き合い苦手な方でしたけど、いざとなると頑張れるタイプ。
「○○先生、まだ居るの? あの先生怖いよね〜」
とか無駄話でこ1時間過ごしてから、暗室作業の指導に取り掛かりました。 暗室は3畳くらいの狭い部屋で、突き当たりにプリンターが置いてあり、 左側の腰くらいの段に現像液、停止液、定着液の入ったトレーを並べて有ります 焼き付ける前の生の印画紙を出している間は、赤灯を点けています。 これが、なんか妙にエロいんですよね。 女の子と窓の無い密閉空間で赤灯を点けると何だか悶々として来るものがあります。 後輩に1人ずつ現像の手順を教えるのですが、おいらここでスケベ心がむくむく 湧き上がってきました。
「待ってる間は外で休憩して良いよ。2人でじゃんけんして、勝った方から先ね!」
後で考えると何の必然性も無い提案ですが、幸い素直な後輩達は従ってくれました。
(ムフフッ… これで女の子と暗闇で2人っきりさ でへえへえへ…)
とは言え、真面目爽やか青年の皮を被っているおいらですから、 未成年にいやらしい事なんか致しません。 至ってくそ親切かつくそ丁寧にプリントと現像のやり方を教えていきました。 心の中では、
(匂い嗅いじゃおうかなぁ… 触っちゃおうかなぁ… 手握るくらいなら許されるかなぁ…)
妄想がグルングルン廻って、ウルトラQのタイトルの様になっていました。 でまぁ、今日は何のオチもないエピソードなんですが、この後、顧問がやって来て、
「今日はご苦労様ー! 夕飯おごるからね」
おいら、てっきり後輩達も連れて行ってくれるものだと思い込み、
「先生、ご馳走してくれるってさ、良かったね!」
と言ったのですが、顧問は、
「え? ヒロだけだよ」
その時の後輩達の顔 川゜д゜川川゜д゜川
先生、ケチだなぁと思いました。 ってかおいらが後輩達とご飯食べたかっただけか。 後になって思うと、土曜休みなんだから頻繁に遊びに行って、 後輩達ともっと仲良くなっちゃえば良かったなぁと。 それでどっちかと付き合っちゃえば良かったとかなんとかかんとか。 思い出し妄想はその後数年続くのでした。
では一句
妄想の 中だけ肉食 へたれヒロ
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