読書記録

2005年02月02日(水) 光の雨             立松 和平

内容
2030年。玉井潔は、60年前の"あの事件"のために死刑判決を受けた後、釈放された過去を持つ。死期を悟った彼は、事件の事実を伝え遺すべく、若いカップル相手に、自分達が夢見た「革命」とその破局の、長い長い物語を語り始めた。人里離れた雪山で、14人の同志はなぜ殺されねばならなかったのか。そして自分達はなぜ殺したのか…世を震撼させた連合赤軍事件の全容に迫る.


1970年の浅間山荘事件を覚えてはいるが、当時の私はその事件に興味がなかった。今のようにワイドショーというのものがあったわけではないので関心がなければ所詮他人事だ。
でもこの物語は実際に起こった事件に想像を足して書かれている。あの事件で死刑判決を受けた首謀格の二人が恩赦で釈放された。それも未来の2030年に。老いて病気になって死期が近づいた男の死刑囚が登場する。自分たちが若気の至りとは言い切れない『革命』という名のもとに起こした事件を、オンボロアパートに住む若い予備校生に語る。最初は信じなかった予備校生がその彼女と共に次第に真剣になっていく。ほぼ語り終えたところで男は静かに死んでいく。そんな人生があってもいいのでは・・と、いう思いがチラッとした。


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