2005年05月15日(日) |
ぶどうの木 坂本 洋子 |
10人の”わが子”とすごした 里親18年の記録 内容 子どもに恵まれず、18年前、里親として初めて"長男"を迎えた著者。しかし彼らを待っていたのは、予想もしなかった社会の無理解と差別だった。5年後にやむなく施設に"長男"を戻さなくてはならなくなった時、親子はともに「ぶどうの木」の聖句で絆を確かめ合う。だが、その後も差別に苦しみ、荒んでいった"長男"は、17歳の夏、バイク事故で不慮の死を遂げる。「彼にしてやれなかったことを、新しい子にしてあげよう」"長男"の死を知った2日後、坂本夫妻は新しい里子を迎えに行くのだった―。 目次 第1章 里親〜私たち夫婦の選択 第2章 純平、波乱の小学校生活 第3章 みんな違っていいじゃない 第4章 家族の愛で子どもは育つ 第5章 純平の死を無駄にはしない 第6章 心に傷を負った子どもたち 第7章 家出した薫が帰ってきた!
わたしはぶどうの木、 あなたがたはその枝である。 人がわたしにつながっており、 わたしもその人につながっていれば、 その人は豊かに実を結ぶ。
ヨハネによる福音書15章5節
この御夫婦も自分の子供がいれば里親という選択はされなかっただろうが、今は自分の子供を育てるのも大変な時代だ。それなのによくもまぁ、里子たちに深い愛情を注がれたものだ。 『長男』の純平を突然 失ったときの気持ちは読んでいても胸が張り裂けそうな思いがした。 私も娘が家を出て行ったときのことを思い出して、娘の照れたような顔ばかりが思われて、あの時どうしてこんなことになってしまったのか・・とそればかり考えていた。もっと他の方法はなかったのだろうか。今からでも娘が出て行くのを止めようか・・とも思った。でも私の娘は言葉を変えたら自立である。この本の純平のような永遠の別れではない。そう思うと御夫妻の悲しみはいかばかりか・・と思う。 子供を育てることで親も成長するというけれど、まだまだ日々精進である。
|