内容 財閥会長の運転手・梶田が自転車に轢き逃げされて命を落とした。広報室で働く編集者・杉村三郎は、義父である会長から遺された娘二人の相談相手に指名される。妹の梨子が父親の思い出を本にして、犯人を見つけるきっかけにしたいというのだ。しかし姉の聡美は出版に反対している。聡美は三郎に、幼い頃の"誘拐"事件と、父の死に対する疑念を打ち明けるが、妹には内緒にしてほしいと訴えた。姉妹の相反する思いに突き動かされるように、梶田の人生をたどり直す三郎だったが…。
普通のひき逃げ犯を捜す物語かと思いきや、最後は本の出版を依頼した姉妹の確執の内容だった よく 姉の持っているものは何でも欲しがるというか、自分のものにしないと気がすまない妹・・というのを目にしたことがある 私のまわりにはそんな姉妹はいないけれど、物語ではよくあるパターンだろうか 姉も自分の持っているものを妹が欲しがっている、そのうち盗られるということも予想していて 知らぬふうをする 二人の間でそういうことが繰り返されるうちはいいが、他人を巻き込むようなことになったらそれはダメでしょう
私の母は、私が子供のころから、毒のある口でさまざまなことを教えてくれた。正しい教えもあれば、間違った教えもあった。私が末だに判断を保留している教えもある。そうした「未決」の教えのなかのひとつが、(中略)・・「既決」の」箱のなかに移った。 「男と女はね、くっついていると、そのうち品性までも似てくるもんだよ。だから、付き合う相手はよくよく選ばなくっちゃいけないんだ」 「既決」の箱の真ん中あたりにある教えも、私はついでに取り出して再吟味した。 「人間てのは、誰だってね、相手がいちばん言われたくないと思っていることを言う口を持ってるんだ。どんなバカでも、その狙いだけは、そりゃあもう正確なもんなんだから」
私も毒のある口を持った母なのだろうなぁ・・きっと・・
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