読書記録

2005年07月23日(土) 卒業           重松 清

 気に入った本があれば その作家の他の作品も読む
前回の『きよしこ』がよかったので 以前、新聞の新刊紹介で読もうと思っていたこの作品を図書館で借りた
4つの短編が収められていて、いづれも40歳の男が主人公になっている

まゆみのマーチ

まゆみが好き、好き、好き、まゆみが好き、好っき! まゆみが好き、好き、好き、まゆみが好き、好っき! まゆみが好き、好き、好き、まゆみが好き、好っき!
(たしか題名は『悟空の大冒険』といった。手塚治虫のマンガを原作にした、孫悟空が主人公のコメディ。)


あおげば尊し



卒業

ひとは、どんなときに死を選んでしまうのだろう。絶望でも悲しみでも、借金でも身内の不幸でも失恋でもなんでもいい。自殺に価する条件が揃ったとき、なのだろうか。そんなに割り切れるものではないような気がする。コップの水は満杯になってからあふれてしまうわけではない。ほんのわずかでも、コップそのものが傾いてしまえば、こぼれる。誰のコップも、決して空っぽではないだろう。コップは揺れている。きっと誰もが、それぞれの振り幅で。

追伸

取材で、子育て中の母親にしょっちゅう会っている。育児に悩む母親の愚痴を毎日のように聞き、親バカの子ども自慢に付き合っているうちに、わかってきたことがある。
「親子って、ざらざらしてると思うんですよ。サンドペーパーとかマジックテープみたいなんだな、って。摩擦の力がすごく強いんですよ。だからピタッとくっつくようにわかり合えるときもあるし、逆に、ちょっとずれるだけで傷つけ合っちゃうし・・・・・」


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