読書記録

2005年10月18日(火) 東京タワー       江國 香織


 共に年上の女性と交際している大学生の透と耕二の物語
その相手である詩史と喜美子には、もう私くらいの年齢になればうらやましいといった感情さえも湧いてこない
ただ男も女も何故か自分よりも年上の異性にあこがれるというか、実際に恋をしてしまうこともあるというだけのことのように私には思える
透は詩史ひとりを恋しているだけだが、耕二は同年代の由利という彼女もいる
私は耕二のような男性は苦手だ

東京タワーというタイトルと江國香織という作者の作品ということで構えて、そして期待したけれど・・・というくらいの感想か
ただ 私の遥かに若いころの思いとしては 窓を開けたら東京タワーが見える住まいというのはかなりな憧れだった
東京タワーが見える、それだけで恋ができる・・なんて馬鹿げた思いもあった

寒い夜だ。吐く息が白い。この坂をのぼるとき、振り向くとそこには東京タワーがみえる。いつも。真正面に。夜の東京タワーはやわらかな灯りに縁どられ、それ自体が発光しているようにみえる。まっすぐな身体で、夜の空にすっくと立って。


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