読書記録

2006年09月16日(土) 朱なる十字架       永井 路子

細川ガラシヤ。洗礼前の名はお玉。父は明智光秀,夫は細川藤孝の息子、細川忠興。お玉が嫁いでから起きた荒木村重の謀反。荒木村重の子、村次に姉のお倫が嫁いでいたために、父明智光秀が仲立ちするも、お倫は明智家に返され荒木村重は城を捨てる。次には光秀丹後攻略の癌、波多野秀治に降伏を求めお玉の祖母を人質に出すが、信長は波多野秀治を殺し、お玉の祖母も殺されてしまう。そして有名な歴史の事実である光秀の謀反。光秀の謀反によりお玉は奥深い山中である味土野へ身を隠す事になる。お玉が大阪へ戻った時、世の中は秀吉の天下となっていた。お玉が幽閉されていた間の側室の存在を夫が話してくれなかったことへの夫との心のすれ違い、父を殺した秀吉、お玉の心に渦巻くものがキリスト教へ心を傾けることになる。忠興のお玉への愛の真実と家が大事の現実、お玉の信心、戦国の世でなかったらと思うばかり。お玉の死が安らかであったには違いないだろうけれど、今の感覚で言えばやはりかなしい歴史の事実ということか。



人間には、それぞれの答、それぞれの立場がある。
━次々と起るとまどいの中で、自分の道を選ぶ。
そのことがつまり、生きるということなのだ。









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