向島出身の作者が向島の芸者さんを題材に物語を書いている。
母親が芸者だったから、主人公の芳恵も何のためらいもなく芸者になった。 母と同じく清元の三味線弾きだから真の芸が売り物の芸者である。 が、妻を無くした老舗の和菓子屋で芳恵とは30歳もの年齢差がある黒川という男性を旦那にとる。 出入りの料亭の女将に 「決められている人生を自分で決めていきなさい」と言われて。 でも芳恵は黒川を心から愛していくのだ。 花柳界という私らの知らない世界ではあるけれど人を愛するということは、どの世界でも同じだろう。 そして たぶん芳恵は黒川の子どもを生むんだろうなぁ・・。 作者はこの主人公をシリーズにして物語を書き進めているようなので、機会があれば続きを読んでみようと思う。
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