読書記録

2007年05月29日(火) 和気清麻呂           久井 勲




和気清麻呂といえば 何といっても弓削道鏡の『宇佐八幡神託事件』だろう
だが作者はそのことばかりでなく、清麻呂がいかに優秀な官僚であったかも書いている
1200年以上も前に、ごく普通の仕丁から出発し、現代にもつながる問題に目を向け、官務に誠をもって熱心に取り組んだことを教えてくれた
清麻呂の大和川治水・土木事業にかける執念、都市衛生への認識、洪水防止への配慮、その他農民救済のための喜捨、また新しい平安仏教への橋渡しをした先達としていきいきと書かれている


作者は岡山県にある和気神社の近くに住まいしているようだ
政府系金融機関に勤めていたものを、もともとこの地に住まいしていたから清麻呂に興味をもったのか、清麻呂に興味をもったからこの地に移住したのかはわからないけれど、特定の人物にほれ込んで物語を書くというのもいい人生だなぁ・・と思う














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