読書記録

2008年05月18日(日) 桂昌院藤原宗子     竹田真砂子



五代将軍徳川綱吉のことは、テレビドラマの見過ぎかもしれないがマザコンというイメージが常についてまわる。
そして桂昌院のことについてはそれ以上に子離れできない親ばかの見本のように思っていた。(私もかなりの親ばかを自認する毎日だが、天下に何の影響も与えない下々ゆえに除外してほしい)

でも タイトルの 桂昌院一品大夫人藤原宗子。
               いっぽんだいぶにんふじわらのそうし


という藤原の文字を見たとたん読みたいと思ってしまった。

そして 物語は桂昌院となるまでの、お玉というひとりの女の出世物語だった。まぁ 美貌と運と女ながらに策をこらして家光の側室になっていく様子は面白いけれど、周りの迷惑顧みずのところは何だかなぁ・・。
物語の綱吉は親孝行ではあるが親離れのできないマザコンではなかった。
征夷大将軍には正一位、御台所には従一位が贈られるようになっているというものの、それは死後の追贈で、徳川家では今まで誰一人生前に一位を贈られた女はいない。その得難い位階を、綱吉は母のために、禁裏を動かして授けてくれたのだ。

だけど 後世に伝えられている『生類憐れみの令』という事実があるかぎり、やはり綱吉は将軍の器ではなかったと言うしかない。






















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