読書記録

2008年10月16日(木) 大欲 小説河村瑞賢           峯崎 淳     


 今でいうところのフリーターから身を起こして、政府もこの人の力と才智がなければ公共工事を完成できないくらいのゼネコンの親分になった人物ということか。
 瑞賢は、七兵衛・十右衛門・瑞賢と出世していくたびに名を変えていくが元和3年(1617)伊勢国に生まれ、後に江戸へ出て土木建築を請け負い、巨富を得て江戸屈指の材木問屋となった。
彼の才知は、海運・治水の事業に最も発揮された。
日本海沿岸から江戸へ年貢米を運ぶ東廻ひがしまわり航路、西廻にしまわり航路を確立すると共に、淀川の治水にも貢献した。そして晩年には将軍に謁見して幕臣(旗本武士)に取り立てられるまでになった。
『瑞賢の知恵』 なんて言葉もあるそうだ。

確かに瑞賢の才智は優れたものだけれど、人との絆ということも大きく関わっていると私は思う。
小説となっているのだから様々な人との交わりは作者の創造の部分もあるのだろうけれど、結局人生で成功するかどうかは周りの人間というかどんな人たちと関わったか・・ということにつきるだと思う。
もちろんそれは己の生き方というか普段のモノの考え方ということなのだろう。ひょっとしたら運なんてものは自分で作っていくものなのかもしれないと、ふと思ったことだ。


















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