夫が出張中のある日、主人公恭子の元に、関口真弓と名乗る女から電話がかかってくる。その女は、夫隆之の愛人で、隆之の子を妊娠している、と高圧的な態度で恭子に明かす。不妊症だった恭子はその事実に愕然とする。子どももできない上に家事もろくにできない女に妻の資格はない、と罵られ、はらわたが煮えたぎる思いの恭子は、夫が出張中の今の内に、と関口真弓を毒殺する。 犯行は完璧だった。証拠も一切残さなかった。しかし、事件の報道をどんなに待っても、関口真弓が妊娠していたという事実はない。夫は彼女との関係を認めたが、しっくり来ないものがあった。自分は一体誰を殺したのか、あの電話の主とは別人だったのか。自分は嵌められたのではないかと疑心暗鬼になる恭子だが、捜査の手は確実に迫ってくる。
主人公恭子の職業や夫の職業を変えてテレビドラマ化された。 (私は見ていない・・知らなかったのだ) あとでドラマのホームページをみたら、キャストがなかなか面白そうで見逃したことを残念に思う。
それにしても夫の愛人に妊娠を告げられたことで簡単に殺人を実行できるものだろうか。 まぁミステリーではなくて最初から犯人が主人公なのだからそういう設定なのだろうが、プロローグの意味が物語の最後のほうで解き明かされる。 これが面白かった。
そしてこの物語、最初は自費出版だったそうな。 すごい!!
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