| 2012年04月02日(月) |
花の下にて春死なむ 北森 鴻 |
三軒茶屋の路地裏にあるビアバー『香菜里屋』のマスターを中心にして、そのビアバーの常連客たちが登場する6つの短編の物語
○花の下にて春死なむ フリーライター飯島七緒の視点から、急死した俳句仲間の隠された人生の軌跡が語られる。
○家族写真 離婚歴のあるサラリーマン野田克弥の視点から、駅の貸本に挿まれていた家族写真にまつわる秘密が語られる。
○終の棲み家 多摩川の河川敷の小屋に棲む老夫婦の写真を撮り続けたカメラマン妻木信彦の視点から。
○殺人者の赤い手 派遣プログラマー笹口ひずるの視点から、香菜里屋の近所で起きた殺人事件と「赤い手の魔人」という怪談騒ぎの謎が語られる。
○7皿は多すぎる 古参メンバー東山朋生の視点から、回転寿司屋で鮪ばかり7皿も食べた男の謎が語られる。
○魚の交わり 飯島七緒の視点から、1話に登場した俳人の過去にまつわるもう一つの秘密が語られる。
本のタイトルに引かれて読みだしたが、物語がビアバーのマスターを中心にして語られているので、私の苦手な短編集という感じはあまりなかった。 だから主人公はマスターの工藤ではなくて、香菜里屋というビアバーこそが主人公なのだと思ったことだ。
覚書 はるか古代、推古天皇が飛鳥の豊浦宮に都をおいた。 ところが山口県の長府にも豊浦宮があったようだ。 推古天皇よりも遡る神話時代に仲哀天皇が設けた宮こそがもうひとつの豊浦宮なのだ。。。
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