| 2012年10月05日(金) |
なぜ君は絶望と闘えたのか 門田 隆将 |
本村洋の3300日
全国で起きる様々の凶悪事件を事件直後は憤ったり驚愕したりして覚えているつもりでも、正直自分と関係がないからかいつとはなしに忘れてしまっている。 だが この事件だけは何故かいつも心の中に残っていた。 最愛の妻といたいけな娘を殺された本村さんが、報道陣の前で語った搾り出すような思いを見たからだろう。 未成年ということで遺族が望んだ極刑が得られなかったことで、本村さんは『犯人を世に出してくれ、私が殺す』と裁判後に語った。 その後 世間で死刑論を論じられるようになったら 『私の妻と娘の事件を題材にしないでほしい』とも訴えていた。
今の裁判は容疑者を守るためのもので、何の罪もなく無残に世を絶たたれてしまった被害者のものではない。
何の縁もない私でも激しい憤りを感じるのだから遺族ならば当然の気持を今の司法は理解していないことになる。
犯人が極刑に処されたところで遺族の悲しみ、無念は決して消えることはないがのうのうと生きていることには耐えられないだろう。
今年の春に刑が確定したが、本村さんのこれからの人生が安らかであることを節に祈りたい。 亡くなられた弥生さんと夕夏ちゃんのためにも。
|