なか杉こうの日記
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2005年07月09日(土) 懐かしの洋食

きのうは初めて、ほんとに初めておいしいエビフライを食べた。
つまり、よく池波正太郎氏がエッセイに書くような定食。それを出す店に
ついに遭遇した。

池波氏のエッセイで思い出すのは、彼がまだ子供の頃、空き地で子供たちがそれぞれ、キャベツやソースやとんかつを持ち寄って野原で食べるとんかつの描写である。それがおいしそうで・・・。

よく雑誌に池波正太郎の通った店が紹介されているが、噂によるとそういう店の中には、全く初めての客が行くととても冷たいところもあるらしい。

しかし、わたしが行った東京のど真ん中のTという洋食屋は、おいしかった。ビジネス街の真ん中。入口にあまりあいそのよくないウエイターのような人がいて案内してくれる。入っている客は高齢者が多かった。昔懐かしの・・・という感じで来るのだろうか。あるいは若い女性。向こうが厨房で料理人はみなコックの白い帽子と白い服を着ている。丈の高いコックの帽子で、忙しそうに幾人も立ち働いている。そんな広くもないのに、四、五人はいるだろうか。

また、ウエイトレスがその辺にいるような太ったおばさんで。壁とか周囲はしっくりした木のつくりである。つまり、いかにも昭和初期の雰囲気。
メニューを見るとこれまたびっくり。安いのである。コールスローがたった五十円。あと、定食など六百円ぐらいか。

しかし、周囲の席に運ばれるのは、なんとおいしそうなオムライス!
それで最初コールスローを持ってきてもらったら、わたしはこんなおいしいコールスローは食べたことがないと思った。冷たくて、キャベツがやわらかいのにしゃくしゃくしていて。

 次に運ばれたエビフライのうまかったこと。わたしは残念ながらもともとシーフードはあまりだめなのである。だから沢山は食べられないが、そのエビフライは長くて大きくて、あつあつで、しゃりしゃりしている。中身はやわらかいし。

 つまり、素材を最大限生かした懐かしの洋食を出しているのだ。

 きっと池波正太郎さんが好きだというのも、こんな洋食なのだろうなと思った。
 もいちど行きたいな。日本橋の旧東急デパートの「コレド」のすぐ近くです。店に入れるのは八時半までみたいです。


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