なか杉こうの日記
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ニューオリンズの惨状を見ると、これが超大国アメリカの中で起こっていることか・・・と唖然とする。まったくアフリカなどの難民キャンプのようである。 海に続く堤防が決壊し大都市に海水が広く流れ込んだ。その様子はこのあいだインドネシアを襲った大津波と変わりがない。
二十数年前、テキサスにいたことがあるのでよくわかると思うのだが、貧困層は道路脇のエアコンもない、ペンキのはがれたポーチもところどころ板の抜けた小さな家に住んでいる。年よりは所在なさそうにポーチの揺り椅子で日がな一日過ごす。もちろん車なんてない。
こういった地域でも(たぶん)コミュニティというのはあって、それなりの助け合いで暮らしているところもあると思う。ハリケーンが近づき、警察長官だかなんだかが、Get our now! とか警告を出しても、貧困層とくに病人や年よりは行く場所も手段もないのである。被害がわかっていたのにこうなった・・・というのは、上の人々が「ほうっておいた」としか思われない。
排水が難しい、というが、あんなに巨大な地域に海水が入り込んで排水なんてできるのだろうか。アフリカなどの被災者よりもなにか被害が密接に感じられるというのは、被災者達のふだんの生活がこちらにわかるからである。
つまり、ふだんはテレビで好きな番組を見、週末には買い物やパーティーに出かけ、町の小さい白い教会に行き、車に乗り、スーパーに出かけ・・・という暮らしがよくわかるから、被災したことの大変さがよけいわかるのである。
アメリカの大都市、ニューオリンズなのである、これが。 世界的な未曾有の災害である。というのは、次の理由による、と思う。 1.大都市を広範囲に襲ったものである。 2.災害が事前に予測できたものである。→最悪の被害も想定できたものである。
阪神大震災、そして9.11テロは大災害であるが、予測はできなかったし地域は限定されていた。
今回は広い。そのなかに水に埋もれてあちこちに被災者がいる。これが大都市である。日本も備蓄している石油を「放出」することになったそうである。いくつもの巨大な石油タンクがテレビに映っていた。へえ、こんなところにあるの・・・と知らなかった。
これは人類の問題である。ツケが回ってきているのである。
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