なか杉こうの日記
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2006年04月28日(金) 空白の思い出

夜、駅のそばを歩いていてふっと夏の香りがした。祭りのにおい。期待・・・。
なつかしいにおいだ。

季節の変わり目には、ふっと風と共になつかしい香りが漂う。あの時の、あの時の・・・と学生時代の頃の苦々しい思い出、期待と裏ぎられ、あきらめ、悔しさが蘇りそうになるのだろう。しかしながら何もないのだ。あの時の感触のみ帰ってくる。実体は何も残っていない。というより、苦々しい想い出はあえて思い出そうとしないので記憶からどんどんずり落ちていくのだ。

いい想い出は、幾回も幾回も反すうするらしいので、いつまでも覚えている。それは繰り返されたストーリーのごとく、結晶のようになって頭に蓄積している。

このことに関して、自分はかなりずうずうしい人間である。昔のことがなかなか頭から離れない、こだわるという人もいるが、わたしはこだわりそうでいて、けっこう調子がいいらしい。自分にとって嫌だったこと、都合の悪かった時期の想い出は見事になくなっている。空白である。


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