冷蔵庫の扉をばんばんばんばん閉めているずいぶん暑い晩である月がこうこうと出ていてどこか、そうだ下北にでも逃げたい気分だ、と月に行ってみるそうだ、あいつとかけおちでもというが顔のくろいあいつは電信柱の影に隠れたままだ。髪はぼさぼさ。ばんばんばんばんいつになったら閉められるのか暑い晩だパンツのまんまどっかへずらかっちまおうか。