人は見かけによらないとはよく言ったもので、時に自分の人を見る眼が非常に凝り固まった未熟なものであり、同時に人間の奥深さと神秘に感動したりする(笑)。
先週同僚がある関係先に外出した。誰でもその会社へ出向いて帰った後は必ずと言っていいほど皆に報告することがある。仕事の件ではない。私達の興味の対象はその会社の応接室にあるのだ。 そこの社長さんは私達の間で「ディズニー」と呼ばれている。もちろん当の本人はそんなこと知らないが、何故そんな愛称がついたかと言うと、その応接室がぬいぐるみで一杯なのだ(汗)。それもディズニーのキャラクターがお気に入りのようで“ミッキーマウス”とか“101匹ワンちゃん(?)”だとかのぬいぐるみがそれはそれは可愛らしくディスプレーされている。テレビの背後からちょこんと顔を出してこちらを覗いているように飾ってあったり、時計の上に愛嬌のあるポーズで座らせたりと…まさに○○ワールドといった感じだ。ぬいぐるみ好きの人が飾ると命のないものさえもこんなに生き生きするものかと驚く。まるで命を吹き込まれたように見えるのだ。やはり何に対しても愛情を持って接することが大事なのね〜。
そもそも企業の応接室にこんな沢山のぬいぐるみが飾ってあること自体が異常である。まぁ玩具を扱っている企業ではそれもアリなのだろうが、私達の世界はそんなに夢のある商売ではない。随分前に不思議に思った、と言うよりか呆れて同僚がお茶を運んできた女性に尋ねたのだ。「このぬいぐるみはどなたかこちらの女性が飾っているのですか?」 その女性はうんざりしたように答えたそうである。「いいえ。これは○○(←その社長の名前)の趣味でございます。」 これであのぬいぐるみの飾り主は社長さんであるという事実を知ったわけなのだが、冗談のようなその話を事務的に話すその女性社員の姿を想像すると可笑しくて、結構楽しい会社なのかも知れない。 もちろんこの社長はおっさんである。おっさんの中のおっさんという感じだ。私も2度程このワールドを訪れ社長さんとも会ったことがあるが、私が生きてきた経験から積まれたどの引き出しをひっくり返してみても彼からディズニーのぬいぐるみを連想させるものがどうしても見つからないのだ。ぬいぐるみ達に囲まれている応接室の中のおっさんはある意味圧巻だ(笑)。一度ぬいぐるみをディズプレーしている彼の姿を見たいものである。
と言うわけで、私達の興味は新しい子(←もちろんぬいぐるみのことよん)が入って来たのか、定期的な模様替えがどうなっているのかということである。私は子供の頃からぬいぐるみには興味がなかった方だが、中には好きな連中もいてそのディスプレーの仕方を参考にしているのだ(笑)。人間何でも習っておくことにこしたことはなない。だから私も一緒に聞いている次第である。
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