いつぞや「やっぱり女がいいっ!」と豪語していた私だが時には男が羨ましくなることがある。先日の文化の日、横浜の新名所(?)ラーメン博物館に行ってきた。当然のごとく混んでおりラーメンを食べるのに1時間近くも並んでしまった。何においても私は並ぶことが大嫌いである。口直しならぬ気分直しにせっかくここまで来たのだからとみなと未来まで足をのばした。その日はとても行楽日和でよく晴れており、そこで何年ぶりかに大観覧車“コスモクロック21”に乗ろうということになったのだ。こんないい日は見晴らしが良く上空から見る景色が最高なのではないかとふんだのである。 乗り場に行くとまだ大観覧車ができたての頃に比べれば随分と人は少なくなったが、またそこで15分程度並んだ。並んでいると観覧車から降りてくる人達を嫌でも見ることになるのだが、全てカップル、家族、仲間同士のどれかの範疇で降りてくる。その中で30代位の男子が1人で観覧車から降りて来た。この光景は穏やかに賑わっている場の中で一種異様だ(笑)(まぁ私個人としては1人であのコスモクロック21に乗るような人間は好きなのだが)。他の人達も同じことを感じたのであろう、くすくす笑っている。本人も「いやー、1人なんですよ」とは言わなかったが、そんな感じの照れ笑いで去って行った。 この時思ったのだ。「男っていいなぁ…」と。誰だって1人で観覧車に乗りたい時がある!という問題は別として、やりたいと思ったことをやりたい時に、変に気にすることなくすぐ行動に起こせるからいいのだ。別に女だって観覧車に乗りたくなり、たまたま一緒に行く相手が見つからなかったら1人で乗ってもいいのだ。しかしあそこで私が1人で観覧車から降りてきたら…それは笑えないだろう。並んでいる人達は見て見ぬふりをし、後になって「なんか1人で乗っていた女の人がいたねー。(下手をすればおばさんがいたねー。となる)」と酒の肴にされるか、心底変な同情をされるか…まぁこんなところだろう。
友人が何もかもが嫌になり1人で旅に出たことがある。そして洒落たリゾートホテルに宿泊し、カップルや家族連れなどで賑わうそのホテルのレストランでフランス料理のフルコースのディナーを1人で食べたと言うから驚いた。できねー!私にはできねーっ!いや何度でも言うが私好きなんですよ、こういう人は。確かに1人で旅行することは出来る。食事も1人で摂ることが出来る。しかしホテルでフランス料理のフルコースを1人で食べることは出来ない…。そもそもああ言った食事は相手との語らいもそのメニューの大事な要素である。案の定ホテルの従業員達は彼女を自殺者扱いでとても優しく気にかけてくれたそうである(笑)。 今のフランス料理だって男が1人で食べていたら周りもそんなに気を遣わないと思うのだ。相手とのお喋りもメニューの1つであるとしても、何かで紹介されている美味しそうなフルコースなんぞは一人でも食べてみたいものなのだ。それも自分が食べたい時に食べたいのだ。しかし女がレストランでもホテルでも、1人でフルコースの食事をまったりしているなんていうのははっきり言ってあまりみっともいいものではないし、1人が嫌と言うよりは周りから変に勘繰られるのも鬱陶しいのだ。向こうは見て見ぬふりをしているつもりでも、こちらは敏感にそれを察知するものだ。男だったらこんなこと気にすることないんだけどな。
こんな時男はいいなぁ…とぼやいていても仕方がない。だからと言って「こんなこと屁のカッパと思えるように自分を鍛えるのよ〜!」という気にもなれない。それでは女捨てすぎ…。当面のところはやはり友人を誘って色気のないフルコースディナーを興じますか。
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