2004年10月25日(月) |
お気を付けあそばせ。 |
あれだけテレビや新聞で“オレオレ詐欺”に対する注意を呼びかけているのに一向にその被害が後を絶たない。最近うちの近所でもそんな電話が多く掛かってきているらしいと聞くが、今の所我が家は静かなものだ。実は母の知り合いのお宅にもこれが掛かってきてそうだ。電話にでたのは奥さんで、相手は“オレ”ではなく息子さんの名前をちゃんと言ったとか。兎に角電話口で人を轢いちゃったとオイオイ泣いているだけで全く拉致があかないんだそうだ。もちろんその奥さんだって“オレオレ詐欺”が世間で騒がれていることは知っている。でも人間そんな時は何もかも忘れ頭が真っ白になって動転してしまうのだそうだ。まだ50代の女性だ。決して年寄りではない。 たまたまご主人が在宅していて、ただならぬ奥さんの様子に心配して電話を代わった。そこでご主人が「男だろ!泣いてないでしっかりしろ!」と喝を入れたらその内弁護士とか警察の者と名乗る人達に次々と代わった。そして色々詳しく尋ねていたら途中でブチっと電話を切ってしまったそうだ。流石に男!と感心したが、ご主人も“オレオレ詐欺”なんてことは全く頭になく、ただ「あぁこれで息子の人生も終わったな」という思いだけだったと言う。我が家にも息子が一匹いる。私の弟なのだが、今は家を出ているがそんなことは関係ない。いやかえって家にいないだけに余計にひっかかる可能性がある。私は母に気をつけろと口を酸っぱくして言っているが、はてはていかがなものやら…。もしかしたら自分だってそんな状況に置かれたら果たして平常心を保てるか…判ったものではない。
“オレオレ詐欺”に限らず詐欺の被害にあった人達の話を聞くと、第三者はどうしてそんなことで騙されるのか?と不思議に思う。そして大抵の人間は自分は絶対にそんなことでは騙されないぞと自信たっぷりにのたまうものだ。実際騙されたその本人もそう思っていたに違いないのだ。でもそれをまんまと騙すから詐欺師が詐欺師と呼ばれる所以でして…。そう言った詐欺事件などテレビのワイドショーなんかの再現フィルム(笑)などて見たりすると、意外と手口は単純だったりする。第三者が対岸の岸で見ていれば、何であそこで相手を信じてしまうかなぁ?と呆れてしまうのが殆んどだと思う。でもあの人達は口八丁手八丁で。しかしそれよりも私は恐らくあの人達の語りの間合いが絶妙なのではないかと思うのだ。だから1対1で話をされればもう相手のペースにそのまま知らず知らず引きずりこまれているのかも知れない。あの人達に目をつけられたら、もうその時点で半分詐欺の被害にあったようなものである。
「俺は絶対に詐欺なんかにひっかからない!詐欺なんて騙される方が馬鹿なんだ!」と豪語していた男が会社にいた。まだ会社が今の所へ移転して来て間もないある日、「街の地図看板を書き換えますので正式な住所と名前を教えてもらえませんか?地図に載せますので。地図掲載の範囲にお宅のビルも含まれていますから。それと雨風に晒されるので定期的に張り替えます。つきましては掲載料と書き換えの手数料を徴収したいのですが…」と中年男性が来社した。先程の男性同僚が応接室にその男を通した。詳しく住所や何故か職種など色々と尋ねられそれに応対したそうだ。同僚の女性がそこへお茶を持って行った。そして部屋から出てきて「何か面白いんですよ。○○さんが答えていることをあの男の人、手帳にちゃんと書いているふりをしているだけで本当はそこにイタズラ書きをしているんですよ。」とニコニコと教えてくれた。なんでも自分の手帳を胸の前でそれも立てて書いているので男子同僚側からは手帳の表紙だけしか見えず中身は確認出来ない。しかし彼女はお茶を出した時上からちらっと手帳の中身が見えたと言うのだ。私も「へぇ〜面白いねぇ」とニヤニヤしていたが、それを聞いたもう一人の同僚が一言。「おい…それは騙されとるで…」
後で判ったことだがその中年男は何年かに1回あの辺りにやって来る得体の知れない奴で、実際その男が話している地図もあることにはあるのだが、何年も換えられてないと言う(笑)。最初の内は料金を払ってしまったところもあるようだが、じきにそれが怪しげなものだとわかった。まぁ大した金額ではないし、かかわるのも面倒なので警察には届けずそのまま相手にしないでいるのだそうだ。 詐欺には気をつけましょう…。
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