竜也語り

2004年11月02日(火) 「新選組!」第10・11話

●第10話「いよいよ浪士組。」

10話のタイトルは「いよいよ浪士組」。勇達が京都行きを決意する。
エネルギーの有り余っている浪士達が江戸中から集まって来る。
おそらく彼等は10代の後半から30〜40代位までの男達だっただろう。
いつの時代も血気盛んな若者たちはいる。中には情けないのもいたが、「徳川幕府のため」と言う忠誠心を持った若者が半分は占めていたのではないか。
そんな彼等は純粋である。そこに利害は無い。
「日本のため」と無償でこの身を使おう、なんてことは、現在の若者には馬鹿らしくて出来ないであろう。
書く言う私もそうである。(苦笑)
だからだろうか・・物語の中の若者達は、自分の理想の男性であったりする。
何だかんだ言っても、女性は男性のああ言う割の合わない純粋なところに惹かれたりすることもある。

周斎役の田中邦衛さんは、やはり上手い。
「親は子に振り回された分だけ、子を愛おしく思う・・」こう言うある意味聞いている方が照れ臭くなるような台詞は、下手な俳優が喋ると本当にしらける。
でも、流石田中さんであった。素直に聞けた。

今週の総司は、出番は少なかったが、彼の人生の大きな節目となる大事な場面であった。
試衛館で皆を集め、勇が上洛の決意を宣言した時、総司は当然自分も一緒に連れって行ってもらえると思い込み、無邪気にニコニコ笑っている。
しかし、勇が自分だけ連れて行く気が無いと知ると、思わず道場を飛び出してしまう。
勇の実意など考えようともしないのだ。
「私はもう子供じゃない。」・・こう言うことを言う人間に限って大抵はまだ子供であるが、その証拠に、自分の決意を前髪を剃るという、幼稚なやり方で分ってもらおうとする。
いたって本人は真面目であるが、周りは悪いと思いながらも、笑ってしまうものである。
しかしその思いを受け止めてあげるのも、勇達大人の義務でもあろう。

「総司、ここで泣いたら台無しだぞ。」歳三の言葉は全く的を射ている。
そうなのだ。そこで泣いたらお終いなのだ。
総司は涙を目に溜めていたが、最後までそれを零さなかった。
竜也くん、goodでしたよ、ここの演技。
総司は一歩成長した。

余談…最後に原田が、総司の月代の頭を撫で、「お前、本当に似合わねぇなぁ」と言っていたが、そんな台詞入れることないでしょう〜(泣)

***第10話の私のつぼ(藤原総司限定)***
・前髪を剃って、勇に自分の決意を示そうとするシーン。頬被りをしながら皆をみる思い詰めた表情。(下睫毛濃い〜)
・鼻の穴を膨らませ(笑)一生懸命涙を堪えている表情。あの顔で見つめられたら、普通何でも許しちゃうでしょう…。


●第11話「母上行ってきます」

今回のタイトルは「母上行ってきます」
試衛館のメンバー達の京都行きもカウントダウン状態に入った。
皆それぞれ江戸や多摩にいる縁ある人達に別れを告げる。
そんなに湿った別れは皆しない。送る側もそんなに長い別れではないと思っているからだ。
メンバーの活躍を期待し、嬉々としているが、いったい京都での勇達とその運命を予測出来た人間は何人いたのだろうか。

源三郎が姪達を勇達の所へ連れて来た時の、歳三の彼女達を見る優しい表情が印象的だった。
全く騒ぐ程のシーンではないのだが、山本耕二さん、あのシーン好きです。
三谷さんが自分の歳三像について色々と話していたが、三谷さんの描きたい歳三が何となく分ったような気がした。

一番印象的なのは、やはりふでと勇の別れだろう。
今まで勇に辛くあたっていたふでが、始めて自分の本心を告白する。
「百姓に生まれ、武家の世界に入ろうと努め、死に物狂いでここまでやって来た・・・あなたは私です。」
相手に嫌悪を覚える原因の一つに、相手の中に自分を見ることがある。
ふでがそうだったのだ。
勇が思惑に反して、急速に武士らしくなる姿を見るにつれ、嫉妬みたいな感情が芽生えたのだろう。
勇の必死に上へ登ろうとする姿に、自分の嫌らしさやみじめさを見たのだろう。
彼女の気持ちが痛いほど分った。
彼等はなぜあんなに「百姓出身」に拘るのだろう?
私には理解出来ない。
でも最後に、皆で楽しそうに畑仕事をしているシーンに救われた。

今回の竜也くん。
彼の話によると、今週辺りから「ハムレット後」になるのだが、そんなに目立った演技の変化は見られなかった。
期待しすぎたのか…?
まず彼の勘違いであろう。「ハムレット後」は、まだもう少し先ではないのか?

不覚にも昨日始めて総司が登場した時「うん?」と思ってしまった。
そうだ、今週から月代総司なのだ。
義兄に「すぅすぅするでしょ?」と頭のことを指摘される。
どうしても三谷さんは総司の月代をこちらに意識させたいようだ(苦笑)

平助と二人で飲みに繰り出すが、少しはしゃぎすぎ。
おでんを頬張りながら喋るのだが、口からおでんを飛ばしていた(笑)
飛ばさないようにしようと気にしているのがこちらに伝わり、そちらの方が気になってしまった。
いいのよぉ〜、少しぐらい飛ばしたって。
無邪気にはしゃぐ二人を見ていると、これから彼らを待っている悲劇を連想することは出来ない。
もしかしたら上手い演出なのかも知れない。

清河役の白井晃さんに目が留まる。
陰険な光を放つ目つきと、抑揚のない喋り方は不気味だ。

お恥ずかしい話であるが、伊東大蔵が後の伊東甲子太郎だと昨日始めて気が付いた。(苦笑)
そうだったのか、この頃から嫌な奴だ。
「いい人だったね。」と無邪気に感動している平助と総司が可哀相になってくる…。

***第11話の私のつぼ(藤原総司限定)***

・実は前髪を剃ったことを後悔しているところ。


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