竜也語り

2004年11月03日(水) 「新選組!」第12・13話

●第12話「西へ!」
やっと勇達が京都に向けて出発した。ここまで長かった…。
随分と丁寧に書き上げたと思う。

隊編成の際、勇は平隊士扱いにされてしまう。
それが当時どの程度屈辱的なことなのか、私には分らないのだが、歳三と山南は全く違ったやり方で勇を役付にしようと画策する。
一人は理論を持って誠実に相手を説き伏せようとし、一方は動物的な直感で騙せそうな相手を鋭く嗅ぎつけはめる。 
結局最後まで水と油で相俟うことが出来なかった二人がよく描かれていたと思う。

捨助役の中村獅童さん。彼の小さくてつぶらな瞳は捨助にぴったりだ。(笑)
何とも情けなく、間抜けた表情が上手い。
歳三にしてやられ「どこまでも追いかけてやるからなぁ〜!」と恨み節を吐いた捨助の今後の活躍(?)が楽しみである(笑)。

そして清河と佐々木の確執、あの一癖も二癖もありそうな隊士のメンバー達。
さらに面白くなりそうだ。

いつもはじゃじゃ馬のみつが珍しく勇に「弟をよろしくお願いします。」と、深深と頭を下げた。
だが総司は病で衰弱しきって彼女のもとに戻ってくる。
頭を下げるみつを見ていたら、悲しくなってしまった…。

□12話の竜也くん□
伝通院で隊士の名簿を見ている時、思いもよらず義兄の名前を見つける。その時の驚いた顔が身毒丸を思い出させた。
撫子とのシーンであの表情をしていた(笑)
眼を見開き口を大きく開けて、大袈裟にきょろきょろしているその姿はまさに舞台。
なにもそんなに大袈裟に演らなくても…

総司は今のところ藤堂と仲がいい。よく二人でつるんで行動している。
この先藤堂が新鮮組を裏切る時、この二人はどうなるのだろう。
その時総司は、どんな表情を見せてくれるだろうか。

芹沢一派との飯屋のシーンは良かった。
さっと剣を抜いた時は、今後の沖田を予感させる険しい表情を見せたが、すぐ無邪気な笑顔に戻り「沖田総司です。三番隊に所属しています。よろしくお願いします。」と爽やかに言ってのけた。
なかなか手強い。

前後するが、薬やら菓子やらを持ってきたみつに対して、面倒臭そうに対応している。
その顔にはお得意の「もう子供じゃない」と言う思いが出ているのだが、弟を遥か京都まで送る姉の気持ちを汲んであげなさいよ、と言いたくなる。
「しょうがねぇなぁ」と心では思っていても、「ありがとう」と笑顔で答えてあげるのが大人の男というものですぞ。

***第12話の私のつぼ(藤原総司限定)***
・飯屋のシーン。かっこいい総司と可愛い総司が同時に拝めました。
・林太郎と話をしていた時、なぜか襟元をしきりに掻いていた意味不明な演出(?)ですか。


●第13話「芹沢鴨、爆発」

勇に始めての試練が降りかかった。浪士隊の部屋割りだ。
宿の確保がままならず途方に暮れている勇に前に試衛館の仲間達が現れる。
こういう場面は青春群像という言葉にぴったりで、見ていて素直に爽やかだと思った。
ああいう団結・・私達にはご無沙汰だなぁ…。

しかし曲者の芹沢の宿が手違いで鳥小屋になってしまう。
この時芹沢が歳三に何やらさむいことを言っていた…。
「お見事!」と、歳三の引きつった笑い、良かったですよ、山本さん(笑)。
案の定芹沢はむくれ、町のど真ん中で巨大な焚き火をするという暴挙にでる。

しかしこの芹沢という男、幕府への忠誠心が強く、以外と私には根は純粋な人間のように思える。
彼を見ていると、現場の職人さん達を思い出した。
要は使う側の人間の度量次第なのだ。心が通じ合うことさえ出来たら、とてもいい仕事をしてくれそうなのだが。

ここでやっと勇登場。
芹沢にひたすら謝るという一番勇気のある行動に出た。
二人とも一歩も引かない。
新見が主人の気持ちを汲んだように、試衛館のメンバーに耳打ちをした。火を消す用意をするよう頼んだのだ。
後世にに名を残す人には、必ずと言っていいほど優秀な参謀がいるものだ。
芹沢の引き際も見事だった。

今週は何と言っても芹沢役の佐藤浩一さん。
確かに少し老けたが、まだまだいける。
近藤との対峙の場面、芹沢は殆んど何も言わないのだが、表情だけで彼の心の機微が手に取るように分った。
しぶいです。ついでにさむいギャグを飛ばす姿さえも堂に入ってました。
竜也くんのあんなにしぶ〜い演技も、早く見てみたいものだ。

□13話の竜也くん□
今週は出番多し。
ある道場の大将に向って「おじいちゃん!」と無邪気に笑って呼び掛けていました…。
ああいうのは言っている本人が全く悪気がないだけ余計に始末が悪い。かえって相手には残酷な仕打ちになる。
何せ自分が見た感じをそのまま素直に口に出しているだけなのだから。
でもあの爺さん、怒らなかった。あの笑顔で言われてしまえば、ぐうの音も出ないだろう。
私だってあの笑顔で「おばちゃん!」と無邪気に言われてしまえば、「なぁ〜にぃ〜♪」と笑顔で返事をする・…と思う。

山南がある浪士に絡まれている現場を眺めている総司。
その浪士に「あぁ〜、言っちゃった〜、知らないよ〜」というような、珍しく意地悪な笑みを浮かべていた。
総司役になって初めて見せる表情だった。
これから先も、もっと多彩な総司を楽しませてくれるだろう。

最後に一言。
「月代、剃らねぇほうがいいぞ。お前の顔には似合わねぇ・・」
って、鴨にも言わせるか?!
三谷さん、そろそろ勘弁して〜(泣)

***第13話の私のつぼ(藤原総司限定)***
・「おじいちゃん」と天使の残酷。
・芹沢に月代が似合わないと言われ、行き場のなくなったいじけた顔。


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