竜也語り

2004年11月05日(金) 「新選組!」第16・17話

●第16話「一筆啓上つね様」

江戸のつねのもとに勇の手紙が届く。
そこには京都での勇達の活躍ぶりが書いてあった。
所々嘘(?)が記してあったが、故郷で待っている者達へは、事実を少しばかり歪曲していいことばかり書いてしまうものである。
その気持ちは…分る。

勇達は京都で新しい仲間を増やそうと浪士隊の勧誘を始める。
ここでやっと斎藤も加わることになる。オダギリさんのファンの方はさぞ待ちくたびれたことであろう(笑)。
いささか心許ない者も中にはいるが、それでも少しずつ仲間は増え始める。
その中に粕谷もいた。
粕谷は「最初は一つの目標に向っていても、何時かは仲間割れをする。無駄な殺し合いは見たくない・・。」(←正確ではありません)と、まるで新選組の行く末を予言するようなことを言う。
勇達はまさか自分達もその運命を辿っていくことになるとは、今の段階では夢にも思っていない。
しかし、これは組織というものの宿命である。
最初はいい。皆、目標に向って無我夢中だからだ。
しかしある程度目標達成が見えてくると、それは綻んでくる。
皆成長するのだ。とうしても自我が目覚めてくる・・。
ところで、この粕谷を演じている役者は時代劇のベテランであるが、今回は周りがあっさりとした台詞回しなので、この人のベテランらしいこってりとした台詞回しは、かえってそれが仇になり、妙に浮いてしまっている感がある。
何故か少し気の毒になってしまうのだが…(苦笑)

二条城に入る将軍を野次馬達と一緒になって見物している勇達だが、何者かが恐れ多くも将軍に声を掛ける。
その時咄嗟に振り向いた試衛館のメンバー達の厳しい表情はしびれたっ!
特に山本さん、素敵でした。

将軍を擁護しようにも、その立場が中途半端なため、間間ならず、厳しい現実に直面する勇だが、
山南の発案から端を発し、勇と芹沢は会津藩主の松平容保に面会する。
そして彼等は晴れて会津藩預かりの身分となる。

さて、今までワンポイント出演で、その情けな〜い姿を毎週のようにさらしていたトノウチ。
私は、この役者が三谷さんの友人か何かで、その縁から友情出演でもしているのかと思っていた…。
何だよ!昼行灯ではないか! やってくれますな、三谷さん。

□16話の竜也くん□
今週もそんなに目立ったところなし。
林太郎を一生懸命京都へ引き止めようとしている場面。
林太郎のかっこ悪い姿を目の当たりにして、とうとう諦める。
「もういいです…。」 この時の何とも言えない表情。
何故か私の母がウケていました・・。
こういう表情を造るの・・なかなか上手いと思うのだが…。

ひでと藤堂と共に三人で縁側のような場所で座りながら話しているシーンは、見ていて微笑ましかった。
こんなほのぼのした光景・・これからはあまり見ることが出来なくなってしまうだろう・・。

一方後半、久坂玄端に向って行こうとした時、一瞬見せた激しい表情はgoodでした。

***第16話の私のつぼ(藤原総司限定)***
・将軍入城の行列を見物している時、人混みで思うように見ることが出来ず、見えないよ〜とばかり子供のように跳ねる、ぴょんぴょん総司。…可愛かった…。


●第17話「はじまりの死」

勇達が正式に会津藩預かりという立場を得た。
しかし、隊の正式名のことで、もう芹沢達と揉め始める。
歳三は勇を隊の頭に立たせようと奮起する。
だんだん歳三が本領を発揮し始めた。
特に最後の「憎まれ役は俺になる」・・男だねぇ〜。
もし土方歳三という人間が存在しなかったら、新鮮組が歴史の表舞台に出ることもなっかたと言っても過言ではないと思う。

今週は浪士隊の中で初めて人が死ぬ。
これから仲間達が一人一人減っていくのだが、その理由として粛清を名分としたものも多い。
言わば彼等は烏合の衆であるため、規律を厳しくしなければとても組織が成り立たなかったのは想像出来るが、それにしても皆よく付いて行った。
今の世であのやり方を真似しようものなら、まず誰も付いて来ないだろう…。
あの厳しさを賛美するつもりはないが、それでも当時の人間の精神の強さに私は一種の憧憬を覚える。

殿内が芹沢に斬られた。
殿内が勇宛に残した手紙が哀しかった。
「高い志を持って浪士隊に応募したわけではない。」と彼は勇に打ち明けたが、でも彼は勇達と負けないくらい崇高な精神の持ち主であったと思う。
証拠に彼は筋を通そうとした。
あのまま勇みに甘えることをせず、一度江戸に戻り佐々木に会い、全てにケリをつけ、その上で改めて入隊を願い出ようとした。
そんな殿内の男気を芹沢は知る由もない。
彼が大阪へ行くと思い込んでしまうのは当然だっただろう。
しかし、芹沢も殿内の実意を後に知り、彼を斬ってしまったことを後悔する。
佐藤さんの表情を見れば、それが十分伝わってきた。
芹沢はただの暴れ馬ではない。
彼だって、勇達同様崇高な熱意をもった人間なのだ。
芹沢の粛清のシーン…。様々な心の綾が描かれることだろう。とても楽しみになってきた。

□17話の竜也くん□
今週はやはりお梅とのシーン。
お梅は肝の据わった女であり、彼女の言っていることはもっともなことがある。
お梅が何気に総司を問い詰めるところがある。
浪士隊が京に残ってどうするのか? 悪い奴を退治する、と総司。
悪い奴らを退治してどうなるのか?と、すかさずお梅。(だいたいこんなことだったと思うが)
回答に窮する総司…。
総司にこんな哲学じみたこと答えられるはずないのだ。
それが総司のいいとことではないか(笑)。
お梅にいいようにからかわれ、顎をさすられる総司。
この時の照れた総司の顔! 上手かったですねぇ〜、竜也くん。
ああなると演技かどうかもわかりませんが…(笑)
母性本能くすぐりまくりでした。

芹沢との絡みも良かった。
皆が怖がる芹沢にも意に介せず、よくなついている。
こういう人懐こい役どころは、竜也くんにぴったりである。
芹沢もわざと竹とんぼを潰して見せたりして、粋がっていたが、まんざらでもなさそうである。(笑)
竹とんぼを潰した時も、総司は平然と笑っていた。
芹沢の奥深く潜んでいるやさしい性分を見抜いているかのような笑いだった。

***第17話の私のつぼ(藤原総司限定)***
・お梅に顎を撫でられて、メロメロ総司。正に喉をさすられて喜んでいる子猫のようでした


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