2004年11月08日(月) |
「新選組!」第22・23話 |
●第22話「屋根の上の鴨」
勇は松平容保から今後も会津藩預かりの浪士組として京に残留する許しを得た。 芹沢は勇が単独で話をつけたことがおもしろくない。 「解散だ!」などと凄んでみせるが、新見が何とかなだめる。 芹沢は苛立を爆発させる。 浪士組の中で自分の影響力がどんどん低下していく恐怖を命が感じるのだろう。 飯屋で傍若無人な態度を取り、更にその帰り道で、些細なことで又三郎を斬ってしまった。 そしてそれだけでは収まらず、今度は大和屋という商家から金を力ずくで奪う計画を立てる。 そんな芹沢の姿を見て、たまりかねた勇は自分の思いを芹沢にぶつける。 「力ずくで商人から金を奪うことが武士のやることか。」 一瞬芹沢は動揺した表情を見せた。自分でも分っているのだろう。 しかし、もう引き返さなくなってしまっているのだ。 人の性分とはやっかいなものである。使いようによっては悪にも善にもなる。 芹沢の激しい性分も、もっと違った形で何かに向ければ、それは勇猛なものになったのだが、今はただの狂気だ。 芹沢の最大の不幸は、彼のことをよく理解してあげ、彼の性分を善の方向へ導いてくれる人物が周りに一人もいなかったことだと思う。
一度は大和屋の主人が留守ということで、そのまま何もせず帰って来たが、ついている女が悪かった…。 大人しく帰ってきた芹沢をお梅が炊きつける。 お梅は確かに悪女だ。しかしお梅ばかりが悪いのではない。それを聞き流せない芹沢が馬鹿なのだ。 芹沢一派は再び大和屋へ向い、そしてとうとう破壊する。 屋根に登り、自虐的な笑いをみせる芹沢…。 彼の笑顔は何故か私には泣いているように見えた…。
□22話の総司□ 先週の一件以来、すっかり勇に反抗的な総司。 その反抗心からか…、芹沢達と行動を共にするようになる。 芹沢がこれ見よがしに沖田を連れて歩くのは、勇への対抗心も少しはあるのではないだろうか…?
それでも最初に訪れた飯屋では、芹沢達に追い出される先客に対し「ごめんなさいね」と穏やかに謝ったり、芹沢にどやされた又三郎の所にまで酒や肴を持っていってあげたりと、総司らしさが残っていてほっとした。 又三郎が斬られ、その亡骸を葬ることもせず金の入った袋だけを持ち去る芹沢達。 ほんの一時前、総司は又三郎から、その金が彼にとってどんなものであるか聞いている。 その金に含まれている又三郎の夢の重さを知っている総司は、その時何を思ったのだろうか…?
「取り入る相手を間違えると命取りになる。」 斉藤が諭す。・・・総司はもう分っているのだ。ただ今一つ素直になれない。 勇への反抗心もあるだろうし、もしかしたらある意味、勇達に甘えているのかもしれない…。 証拠に、芹沢達と行動を共にしていても、少しも楽しそうではないではないか。かえって辛そうだ…。 大和屋を破壊する時、総司は殆んど泣きそうな顔でとんかち(?)を振り上げていた。
物事が大きく変化する時、必ずと言っていいほど大波が押し寄せる。 人間が成長する時もそうなのではないだろうか…? 今、総司は大きく変わろうとしている。これは全てその前触れのような気がしてならない…。
***第22話の私のつぼ*** ・藤原総司 22話全体を通して葛藤する総司。表情、声色、物腰…体全体でそれを表現していた竜也くんの姿! ・その他 殆んど忘れかけていた捨助、久々登場!あの後、彼はどうなってしまたのでしょうか…?
●第23話「政変、八月十八日」
長州のにせの勅令に腹を立てた会津と薩摩は京都から長州兵の締め出しを決行する。 いつの時代にも天皇というのは哀しい。自らの意思に反して、政治的に利用される…。 戦の大義名分としてその名前を出されるが、本当は平和を願わない天皇などいるだろうか…?
勇も会津藩の軍議に加わるが、指示を受けることはなかった。 困った広沢は苦肉の策として「御花畠」の警護に浪士組を付かせることにした。 「御花畠」とは正に「お花畑」の何物でもなく(笑)、はっきり言えばどうでもいい場所であり、浪士組はまだまだその存在を認められていない。 「命に変えて御花畠をお守り致します!」 勇の真剣な姿が可笑しく、そして憐れであった…。
この肝心な時に芹沢は湯治に出かけていていない。 一晩経って戻って来て、会津藩の下知など待てるかとばかりに、止める勇を尻目に出動する。 途中、会津藩の食い止めをくらうが、そこは芹沢である。 凄みをきかせて、堂々と通過した。 こういうところは芹沢の荒々しい性格が長所となるのだ。 とても勇には真似は出来ない…。
御花畠で待機する勇達…。何も起こらない。 じきに長州は撤退を決め、京から去る。 勝利を得た形になった会津公の行列の前に、じっと頭を下げ身をかがめる勇達。 松平は勇に一瞥もくれない。それでも勇達は頭を下げ続けていた。 自分が蔑ろにされ、世間から認められない屈辱は、一度は誰でも受けるものだ。 問題は、その時にいじけてふてくされるか、それともその悔しさをバネに出来るかである。 その気持ちの持ちようで、これから先の自分が決まるのだ。 芹沢は面倒臭そうな態度をとり、ふてくされた。 勇は違う。歳三が側にいる。 歳三は浪士組を誰もが認める存在にするよう、修羅になる覚悟を・・もう既に決めている…。
□23話の総司□ 今週もまだまだ後退中…。 芹沢と連れ立って湯治へ行く時、勇は寂しそうな目で総司を見つめた…。 少しばつの悪そうな総司。この時の竜也くんの表情…好きだわ〜。
さて、大事な時に呑気に湯に浸かっていた総司だが、戻って来た後もいただけない…。 「お気をつけて」とお守りを差し出すひでに向って、「そういうのあまり信じないから」だとか「これから戦に向う者に対しては武運をお祈りしますと言うのではないか」とか…。 すっかり勘違いをしてしまっているのだ。 ひでに「どうして人の気持ちが分らないのか」と切り返されると、今度はふくれる始末…。
いちいち相手のことを考えていたら、こっちがやられる、と息巻く総司に、斉藤が本当に人を斬るということがどんなに殺伐としているものなのか…遠回しに諭しても、今一つ納得出来ない様子。 まぁ、人を斬ることを何とも思わない総司には、私個人としてはなって欲しくないのだが…。 最後には藤堂にまで諭されて…。 はっきりと間違いを諭してくれる人達が周りにいることがどんなに幸福なことか…。分っていますか?総司くん。 言われているうちが華ですぞ!
***第23話の私のつぼ(藤原総司限定)*** ・湯治場でのシーン。お梅の裸体の寝姿を目にする総司。そそられているはずなのに、何もせずそのまま静かに障子を閉める…。ここだけは好青年総司でした。
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