2004年11月14日(日) |
「新選組!」第34・35話 |
●第34話「寺田屋大騒動」
勇はついに深雪太夫の身請けを決心する。勇は深雪太夫を京都に迎え入れるが、なんとそこにつねとみつがやって来る。突拍子もない展開に思わず突っ込みたくなるが、まぁここは愛嬌で(苦笑)。
最初2人は八木邸に向うが寺田屋で深雪太夫と勇がおち合うこうを知っている隊士達は慌てる。勇に会いたがるつねを何とか寺田屋へ行かせないように頑張るが、斎藤がつねに昔借りた金を返すというちょっとスカしたことをやったばっかりに2人は籠を呼んで寺田屋へ向ってしまう。
また寺田屋でもつねと深雪太夫の鉢合わせを防ぐために、女将から隊士から様々な画策をする。しかし偶然坂本との密談のために同じく寺田屋に来ていた桂がみつに深雪太夫のことを話してしまう。あんたも意外とくだらない男だねぇ、桂さん…。 とうとうつねは深雪太夫の存在を知ってしまう。それでも往生際悪く、井上や歳三、女将、更に深雪太夫までがクサイ芝居をして誤魔化そうとするが、勇は自らつねに本当のことを打ち明ける。
その後深雪太夫と対峙するつね。しかしつねは利口だった。ヒステリックに喚くことなく深雪太夫と話し合う。 「主人が大事な友達をなくした一番辛い時に私は側にいてあげられなかった…。」つねのこの言葉を聞いて、改めて男と女は遠く離れて暮らしてはいけないと感じた。 「京都にいる時だけ主人のことをよろしくお願い致します。」と静かに頭を下げるつねは女としてあっぱれだと思った。深雪太夫もつねのあの態度を目の当たりにして、到底敵わないと感じたであろう。 女房がヒステリックに自分を罵ったりしようものなら、愛人の方だってムキになる。意地でも奪ってやろうと思ってしまうものだ。しかし頭を下げられポロポロと涙を流されたら、もうそこでお終いにしようと否応なしに決意させられるものだと思う。女だって本妻の涙には弱いのだ…。
しかし、先週の流れから今週のこの展開は予想出来なかった…。三谷さんはきっと根が明るい人なのだろう。そうそう、人間、何時までも悲しみを引きずって生きていてはダメなんだよね…。
□34話の総司□ 勇が妾を持つことにどうも納得がいかない様子の総司。 「つねさんがいるのに…」といじらしいことを言った途端「それはガキの言うこと」と歳三に一番言われたくないことを言われてしまう。 本当に笑ってしまうのはこの後。ひでもまた同じく深雪太夫の存在が納得いかないらしい。「近藤さんて、あんな人だと思わなかった…」と呟くひでに、「それはガキの言うこと」と総司…。ちょっと総司くん、それは面白すぎるよ(苦笑)。憎めませんねぇ…総司のこんなところは。 ところで、ひでと総司は価値観も同じようである(笑)。お似合いのカップルになると思うのだが…。
みつを見た時の総司の驚きは面白かった。「姉上〜!?」と素っ頓狂な声をあげ、鳩が豆鉄砲をくらった顔とは正にああいう顔を言うのだろう(笑)。上手かったな…竜也くん。
今回は声を出して笑って見ていたのだが…この後ドーンと落とされそうで…。
***第34話の私のつぼ*** ・「オレのせい…」斎藤のいじいじ…。なに?結構可愛いところあるじゃない。 ・「姉上〜!?」 こういう総司と言うか竜也くんの顔はそう簡単に拝めるものではありません。三谷さん、ありがとう…。
●第35話「さらば壬生村」
かねてより計画されていた西本願寺への屯所移転のため隊士達は忙しい。西本願寺へ引越しの挨拶へ向う勇達だが、寺の僧侶達は新選組のことを快く思っていない。しかししそこは抜け目のない伊東が学のあるところをさり気なく…と言うか嫌味なまでに得々と僧侶達にアピールしていた。すっかり伊東に助けてもらったかたちとなったが、それでも勇、歳三、井上達もその立ち姿に何となく貫禄が付いてきた。
歳三に長はちょこちょこ動くものではないと言われ、お幸の部屋を訪れる勇。仲間達と一緒に仕事が出来ず少し後ろめたさがあったようだが、そこに永倉と原田がやって来る。永倉はおそのという女を紹介し、原田はまさに告白するとはしゃいでいる。山南が明里に最後は救われて逝ったことが少なからずとも隊士達に影響を与えたのかも知れない。
夜、隊士達の酒席に一緒に来るようにお幸を誘う勇だが、お幸は辞退した。つねに申し訳が立たないとのこと。勇が京都にいる間だけお世話をする…こんな本妻と妾の関係は理想と言っては何だが、現代ではまず無理な話なのだろうな。昔の女性は女として学ぶべきこともあるのだろうが、やはり可哀想に思う。優香さんがお若いのにしっとりして…想像していた以上に上手かった。
□35話の総司□ 八木家の雅は西本願寺の移転を機にひでと総司を離すように歳三に頼む。雅の気持ちは母親として当然であると思う。 歳三はひでに直接これ以上総司に近づかないように諭す。だが病は今は良くなっているように見えるとか、沖田さんは何と言っているのかとか…ひではなかなか決心がつかないようだ。言葉に出さずとも何となく総司が自分に好意を持ち始めていることを女の性が感じるのだろう。
さて満開の桜の木の下でひでと総司は2人だけで会う。この時もうひでは身を引く決意が出来ている。ひでのそんな気持ちをまだ知らない総司はひでを見つけ、一瞬幸せそうな顔をしたように見えた。 一緒に引越し先を見に行こうとひでを誘うが、ひでは断った。「どうしちゃったの?」と総司は困惑するが、すぐに歳三の仕業と察する。「何か言われた?」とひでに尋ねるまでの無言で見せる微妙な目の動きが絶妙だった。
ひでの気持ちを汲んだのか、自分もひでの言葉によりやっと覚悟が決まったのか、総司もひでと会わないことを了解する。狭い町だからすぐに会ってしまうかも知れない、会っても逃げるなよ、と言ったのか、会ったらすぐに逃げろと言ったのか…よく聞き取れなかったのだが(汗)、いずれにせよ決してカッコのいい別れの言葉ではなかった。だから余計総司の悲しみと僅かな動揺が伝わってきた。
去ろうとする総司に証しが欲しいと涙を溜めて願うひで。総司はひでをやさしく抱き締めてあげた。本当にひでと総司の別れが来たようだ。 移転の当日、八木家の人々に別れの挨拶をする隊士達。総司はひでを見つめて何も言わず頷いた。それを無言で受けるひで。この時2人の心はしっかりと結ばれたような気がした。
しかしなぜ桜はあんなにも懸命に花を咲かせようとするのだろう。短いその命を覚悟しているかのように、それでもその美しさを誰かに覚えていて欲しいと叫ぶように…一瞬にして燃えるように咲かせてしまう。 満開の桜が哀しかった。桜の木が、残り少ない生命を剣の道に捧げようと決意した総司の姿に見えて哀しかった。桜は何故か満開のその姿を見せる時が一番哀しい。
***第35話の私のつぼ*** ・桜と総司…。
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