2004年11月15日(月) |
「新選組!」第36・37話 |
●第36話「対決見廻組!」
総司率いる一番隊が長州と繋がっている捨助を追い詰めるが、そこで佐々木率いる見廻組と鉢合わせになり、手柄の奪い合いをしているうちに捨助に逃げられてしまう。 後日佐々木が勇のところに尋ねて来て両隊の巡回地域について話し合いが持たれる。ところが佐々木が起草した草案は見廻組優位に作られており、勇や歳三は納得がいかない。 そんな折、祇園で捨助の不注意で火災が起きてしまう。しかし一刻も争う中、ここでまた両者の間で主導権争いを繰り広げている…。何となく現代の警察の縄張り争いを彷彿させた(苦笑)。 ところがここで伊東が佐々木を正論でねじ伏せてしまう。この伊東という男…いけ好かない奴だが、頼りになるところもある…。 そして勇達の見事な采配にもより京の街は大災害という事態からは救われる。最後には佐々木も新選組のその存在を認めざるおえなかった。
この様に外から窺うと盤石な新選組に見えるが、実の所内部は少し穏やかではない。 勇の養子・周平に焼きもちをやく者がいたり、伊東との隊内での力関係も微妙に変化し始めている。 更に外部では、坂本が新しい思想をもって薩摩の西郷に長州と手を結ぶよう水面下で働きかけている。 勇達の知らないところで、新選組が坂道を転げ落ち始めたような気がして…。物語はどんどん流れていく。
□36話の総司□ 新選組に暗雲が立ちこめ始めたというのに、総司は全く別の所にいる(汗)。 捨助を追い詰めたところまではよかったが、詰めのところで見廻組にどど〜っと先を越された時の総司は情けなく…でも憎めなかった。 「最後に出て来て卑怯だよ。」と余りにもストレートな言葉で抗議するところがまた可笑しくて…佐々木さん、こんな裏表のない子を相手に少し大人げなくないですか…? 捨助が顔を覆っていた手拭をバサッと斬ったところはカッコよかったが、相手が捨助だと判明した時の呆然とした総司の姿…ああいうのを“カタマル”と言うのだろう(笑)。
所変わって新しい屯所・西本願寺では、本堂の奥に価値ある仏像や掛け軸があることを嗅ぎつけ、そんな重厚な歴史的品々も総司にかかれば“面白そうな宝物”になってしまう(笑)。成長してきているとは言え、まだまだ子供っぽいところが残っている。一瞬伊東がこれを聞いたらどんな反応を示すのかと…くだらないことを考えてしまった。 井上、歳三、藤堂と、かつての試衛館の仲間に一緒に見に行こうと誘う総司だが、悉く断られ…「みんな変わちゃったなぁ…」と一言。総司だけは本質が変わっていない。新選組の社会的地位がどんなに上がろうとも、そんなことは総司にとってはどうでもいいことなのだ。藤原総司のこんなところは好きである。
しかしそんな総司に付き合ってくれる心の広い人間もいる…原田!!(笑) 後から藤堂も「やっぱり来ちゃいましたぁ〜」とやって来て、3人で宝物の部屋の中へ…。部屋の入り口を開けた瞬間の総司の嬉しそうな顔! この時は労咳のことも、これから総司を待っている数奇な運命のことも…忘れさせてくれた。 「藤原さんの笑顔を見ると悲しくなります」この言葉の意味がどんどん重たくなってくる…。
***第36話の私のつぼ*** ・「新選組、御用改めである!」と総司一声、カ〜ッコイイッ! ・「ご飯粒持ってこ〜い!(泣)」と原田…本当にあそこで破く奴がいるかよ…。あの後あの3人は…どうなっちゃったのでしょう…。
●第37話「薩長同盟締結!」
西本願寺で掛け軸を破ってしまった原田達3人の後始末など日常の些細なやり取りに忙しい勇。歳三もまた隊士の1人松原の女性関係のことで目を光らせていた。 松原は自分が斬った長州藩士の後家であるお初に後ろめたさもあったのか、惹かれ始めていた。甲斐甲斐しくお初の世話をやく松原に対し同情的な隊士達もいるが歳三は快く思っていない。 「法度ではないのか」と攻め寄る歳三に対し、開き直り腹を切ろうとする松原。隊士達の配慮によりその場は治まったが、それでも松原はお初に会うことをやめようとしない。 ある夜、お初は松原を自分の家に誘う。それを知った斎藤は不安に襲われる。お初の家ではお初が松原に手料理を振舞っていた。そしてさり気なく松原を誘う。いくら生活が大変だからとは言え、こんなにすぐ気持ちが変わるものかと怪しげに思っていたら、やはり袂から短刀を出し松原を斬りつけた。虎視眈々と仇討ちの機会を狙っていたのだ。その時駆けつけた斎藤は有無を言わせずお初を斬ろうとしたが、瀕死の松原が斎藤の足を掴み必死に止める。 なかなか死にきれず苦しんでいる松原を楽にしてやろうととどめは斎藤が刺した。松原は法度を破ったことによる切腹で命を落とすより、お初に刺された方が本望であったろう。お初もその後すぐに斎藤に斬られてしまった。こうなることはお初も覚悟の上だったのだと思う。それでも松原を許さなかったお初の姿にある種の憧憬の念を抱いた。
勇や歳三が隊内のごたごたに心を悩ませている中、坂本は長州と薩摩の間を取り持つことに頭を悩ませていた。 「鉄の結束と人を思う心」と内部の結束を第一に考えている勇達とは反対に坂本は国全体のことを考えている。しかし両者の長い年月の間の軋轢はなかなか一筋縄ではいかない。 「幕府を敵に回すための大義が欲しい」と坂本に要求する西郷。西郷も本音のところではもう幕府を見限っているのだろう。しかし万が一賊軍にならぬよう逃げ道を用意しておく。恐らく薩摩藩というところが一番政治的外交が上手かったように思える。坂本は「帝と日本のために長州と組む」という条項を1つ付け加え、ここで歴史的な薩長同盟が成立した。歴史がぐんと動いてしまった。 ここで会津は薩摩に裏切られた形となってしまったが、時代の先覚者という者は古い慣習に縛られたりはしない。唖然とするほど変わり身が早いのである。…しかし…頬擦りはやり過ぎでない?(笑)
□37話の総司□ 良順の健康診断を憂鬱な顔で受けている総司。「今度血を吐いたら危ない」と良順は勇に釘を刺す。先週の宝さがしではそんな様子は微塵も感じられなかったのだが、病魔は確実に総司の身体を蝕んでいるようだ。
掛け軸を破ったことをすっかり勇に見抜かれしゅんとしている総司。「私が誘いました」と原田を庇う総司はやはり憎めない。弁償するしかないと仲介人に言われ「いくら払えばいいのですか?」と大きな口を叩いたが、「50両」という金額を提示され、途端にまたしゅんとうな垂れてしまった(笑)。本当に総司はわかりやすい! でも隊士達から敬遠されている歳三に「土方さんが厳しすぎるんですよ。」と嫌味なくアドバイスをするところはなかなかどうして。まぁこれも深い意味があるわけではなく、ただ思ったことを素直に口にしているだけなのだが(笑)。
***第37話の私のつぼ*** ・「50両」この一言で凹んだ総司。 ・稽古中の汗。暑苦しくなく、汗まで爽やか〜。そして…色っぽかった…。
|