『〜黎明〜 2002年3月31日。 俳優・藤原竜也のデビュー作「身毒丸・ファイナル」の千秋楽を迎えた。 カーテンコール、涙を流し、会場を埋め尽くした観客に彼は深深と頭を下げる。 この時彼は19歳。 デビュー当時の何も知らなかった少年の涙も苦悩も知っている共演者達に見守られ、この日竜也くんは“身毒丸の子”を卒業した。 これから竜也くんの俳優人生のセカンドステージが始まると思った。その時は…
その後「エレファントマン」「オイル」と師匠・蜷川さんの手もとを離れた舞台が二本続いた。 「エレファントマン」では、自ら全てを考え自由に演技をすることを要求され、生みの苦しみを味わったかも知れない。 「オイル」では、人を笑わせることの難しさを知ったかもしれない。
そして約一年半ぶりに彼は蜷川さんのもとに帰ってきた。 演目はシェイクスピアの「ハムレット」。 役者と名の付く者なら恐らく誰もが挑戦したい役であろう。 若干21歳。 若いハムレットは、善意の期待と悪意の期待を一身に受け、一人で戦っていたように思う。
2003年12月14日。 「ハムレット」の千秋楽。 カーテンコールに立つ彼は、鼻こそ赤くしていたものの涙を必死に堪えていた。 母達を始めとする共演者達に夢中でついて行った「身毒丸」とは違い、竜也くんが共演者を引っ張って行った「ハムレット」なのだ。 頂点に立とうとする者の長い孤独な道のりを彼がようやく歩き出したように見えた。 それまでの六年間はそのスタートラインに立つための淘汰であったようだ。 決して万人が手にすることの出来ない、選ばれた者だけに神様から渡される“割符”…。彼はその片側をしっかりと手に握っている。 ブルーと銀色のむせるような大量の紙吹雪が、俳優・藤原竜也の第一歩を祝福しているようだった。
********************** 「黎明前」は「ハムレット」以前の竜也くんのことを書いたもの。私自身もまだファンになっていなかった頃もあり、この機会にちょっとじっくり観賞してみたくなったのだ。』
これは以前のHPで書いていた「黎明前」というシリーズの能書きだ(笑)。このシリーズは結構前の日記の中でも評判が良かったものだ。以前は殆んど毎日日記を書いていたので(あの頃私は若かった…)ネタ切れに困らぬようシリーズものを作った。それが「黎明前」だ。最初の内は、何もなければなかなか見ようとしない竜也くんの昔のドラマやテレビ番組など観賞するいい動機付けになるかもなぁ…と深い考えもなく衝動的に書き始めたのだが、次第にそれは私の壮大なるロマンへと変わっていったのだ(笑)。まぁロマンなどというのは、究極の自己満足の異名であると思うが、それでもこれを完成させたら、無名な一竜也ファンの偉業!?…にはならないか…(苦笑)。 日記を移転してしまった時、まっさらにして1から新しいものを作り上げたいと思った。だからこのシリーズの名前を変えようと考えていたが、それも面倒なのでこのシリーズの名前はこのまま残しておくことにした。前のHPから引き続き読んでくれている方も何人かいらっしゃるようですが、最初のうちは以前の日記のコピーです(汗)。徐々に新しいものも出てきますのでお許しを…。
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