『人は何に突き動かされているのか?−世界、欲望名鑑』なる特集が雑誌に掲載されていた。食欲、物欲、出世・名誉欲、精神的向上欲、性欲。この5つの項目で各国の欲望の強さを統計して、その結果から人間の新たな一面が見えてくるかも…?とちょっと曖昧な特集だ。参加国はヨーロッパ、アジア、アメリカを含む8カ国。日本は何故か参加していない。 これを見ると各国共通で高い割合を占めているのが“物欲・金銭欲”。その他の項目はその国々でバラツキがある。恐らく日本でも統計をとったら“物欲・金銭欲”がトップに来るだろう。まぁ単純に言えば「金が欲しい!」ということだと思う。うん、確かにお金は欲しい。お金さえあれば何でも購入することができ、好きなことはし放題、他人を自分の意のままに動かすことさえ可能なことかも知れない。様々な大義を挙げ向上心凄まじく頑張っていることであっても、「はて、何のために?」と深く追求してみると、存外その奥底に札束の山が見えてきて何ともバツの悪い気持ちになることもある(苦笑)。稀に羨ましすぎて気絶しそうな大金持ちの人が「いくらお金があってもそれだけでは人間は生きていけないんですよ。心が満たされないのです。本当にそうなんですよ。」なんてことを仰っているのを聞くと、こちらは「それはあなた…一種の贅沢病じゃないの?暇なら何かおやりになったら?」と皮肉(←いやこれは負け惜しみと言うのか)を言いたくなるが、ともすればこの人達が話していることは偽ざる彼等の本音なのかも知れない。まぁ私はお金が有り余ってどうしようもない!なんて境涯に未だかつてなったことがないので、その真実のほどは分らない。恐らくこれからも一生理解出来ることはないと思う。しかしこんな台詞…一度は言ってみたいものである。
さてこのアンケートは所謂先進国と呼ばれる国々で行われたものなのでこの様な結果になったが、もっともっと人間の根源をを探究すれば、人間の欲望の一番は絶対に食欲!物欲も名誉欲も性欲も…そんなものはとりあえずお腹がある程度満たされてからのものだ。いくら大金を積んでもどうすることも出来ない本当の飢餓を経験したことのない幸福な人間達の戯言。飢えれば人間は生きたカモメを捕まえてそれを生で食したり、紙のパズルを食べてみたり、自分の小水を飲んだりして飢えをしのぐだ。その姿には金銭欲やら名誉欲なんて微塵もありゃしない。飢えから逃れようとする本能の次元から見れば、人間も所詮イヌやネコと同じだと思う。 だから生きていくのに最低限必要な食事が出来る生活に満足するべきだ。欲など捨ててしまえば、今抱えている悩みは10分の1に減ることだろう。欲を持たなければ人間はどんなに楽で穏やかな幸福を得ることが出来るだろうか。きっと争いも起きなくなるのではないか。…と悟りを得たようなフリをして、皆が欲を捨ててしまえば金儲けも簡単だろうなぁ…♪ などと邪まな計算が頭をよぎる…。アラ、嫌だわ。本当に煩悩の塊ね、私ってば
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