竜也語り

2005年03月20日(日) 黎明前(9)

☆ドラマ☆


●「それが答えだ!」Symphonie Nr.3 

「こんなひどい先生」
今回は演也が主役。
何だかんだ言いながらも白八木中でオーケストラ部の顧問を続けている成瀬。やっと生徒達にタクトを振った。しかしあまりのその演奏の酷さにタクトを投げつける成瀬。ビビる生徒達。見るに見かねて池田がまだ子供なのだから気長に教えて欲しいと諭してしまったのが悪かった。成瀬は“教える”という言葉に反応しここぞとばかりに早口で専門用語を並び立て生徒一人一人に捲くし立てる。その後の生徒達の演奏は不思議と少しだけ上手くなっていた(笑)。この時もちろん演也も注意を受ける。それもチェロが元凶と言わんばかりにけちょんけちょんにけなされた。演也は村長の息子である。親にもましてや他人にこれほどまでに遠慮のない注意を受けたのは恐らく生まれて初めてだったのだろう。ムッとふて腐れていた。深田恭子さん演じる和音だけは唯一バイオリンをまともに弾くことが出来る。和音に駆け寄り手取り足取り教える成瀬の姿を見る演也は愉快ではなさそうだ。練習が終わり下校途中、後ろから一緒に連れ立って歩いている成瀬と和音を気にして何度も振り返る演也はいじらしい。分り易い奴よのう…。

ある日二日酔いの成瀬を自転車の後ろに乗せ学校に向っていた池田だが、バランスを崩し転倒して足を捻挫してしまう。そこで成瀬は急遽体育の授業を担当することになるが、そのジャージ姿は滑稽なことこの上ない。生徒達はくすくす笑っていたが演也一人だけは成瀬を睨んでいた。バスケをやっている時の演也は水を得た魚だ。兎に角イキイキとしている(笑)。
さてまたまたオケ部の練習。和音の件でヤキモチの気持ちもあったのだろう、演也の反抗は増している。「何言ってんのかわかんねーよ」「誰か通訳してくれるぅ〜?」とまぁ小憎たらしい(笑)。成瀬も負けていなかったが…。この2人のシーンは結構迫力があった。そしていざ演奏へと…その瞬間「チェロは邪魔だ」と成瀬は演也にチェロを弾くことを許さない。演也を除いた11人の演奏が始まる。皆が楽器を弾いている中演也は一人チェロを抱えたままそこでじっと座っているしかないわけで、悔しそうだけどそれ以上に寂しそうに俯いている演也。これはかなり可哀想…。こういうやり方は教育の一貫としてはいかがなものでしょうか…。案の定演也はチェロと楽譜をぶっ倒し音楽室を飛び出してしまったようだった。

次の日演也の復讐が始まる。体育の授業中成瀬と自分2人だけでバスケットの試合をやろうと言い出したのだ。「せんせ〜、一緒にやってくれよ」と挑発する演也と対峙する成瀬。アラ、演也の方が背が高いのね。もちろん物心付いた時から音楽漬けだった成瀬はバスケットなどやったことがあろうはずもなく…成瀬のドリブルはもう悲惨で…あれなら私でも取れるぞ…。当然のことながら成瀬は演也にこてんぱにやられてしまった。床の上でのびている成瀬に向って「いくら有名なマエストロで好き勝手にやってきたか知らないけど、このボールは先生の思い通りにならないようですね!」と超生意気な捨て台詞を吐いて去って行った。しかし一理ある…。

翌日授業をサボり和音のことを思い浮かべながら校庭のベンチに寝そべっている演也。(←このアップは美少年だった!)そんな時体育館からボールをつく音がする。不思議そうに演也が覗くと、そこにシュートの練習をしている成瀬の姿が。「ばっかじゃないの」「意地になってやることじゃぁねぇだろう」とシラけて見ていた演也だったがそれでも何度も挑戦している成瀬の姿に気持ちが動いたか、今度は演也が成瀬にシュートのやり方を熱く教える。そしてシュート!…でも惜しいところで入らなかった。がっくりと肩を落とす二人。「先生には無理なんだよ。オレに音楽が出来ないように先生にはバスケが出来ない。それでいいじゃねぇかよ」妙に大人びたことを言って出て行こうとする演也を無理矢理成瀬は音楽室へ連れって行った。ピアノの前に演也を座らせ二本の指で2つだけの音を取り鍵盤をたたくように指示する成瀬。「オレは別に部に戻る気はないからね」と反抗的だがそれでも演也は素直にたたいた(笑)。そこに成瀬が並びピアノを弾いていく…きれいな音楽になっていく。はっとして成瀬を見る演也。成瀬はお構いなしにまっすぐ前を見てピアノを弾いている。その内に演也のへの字に曲がった口元の口角がみるみるうちに上がっていき、目の中に宿っていた敵意は消えていた。最後は微笑みながら頭を動かしてリズムを取り、嬉しそうに時折成瀬を見ながらピアノを弾いている。もう最初とその表情は別人だ。憎憎しい悪ガキが素直な可愛い少年に一変した(笑)。この場面は最高!この表情が変化する過程は見事。上手かった。これからの竜也くんを予感させるような場面だった。
曲が終わり照れ臭そうに眉間に皺を寄せ上を向いている成瀬だったが2人の間は確実に縮まったようだ。いつの間にかこの曲に引き寄せられ音楽室に集まってきた生徒達も加わり練習に。演也は少し成瀬を睨んだがチェロを抱え自分の位置についた。

***今回のつぼ***
・見ている方が恥ずかしくなる悲惨な成瀬のドリブル。面白すぎるよ、三上さん…。
・シブイいい男と可愛らしい少年。そんな2人が並んでピアノを弾く姿が絵にならないはずがなく…。久々に巻き戻し攻撃をやっちまった…。


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