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■ 免罪符
心から 愛しく思う人と 手を繋ぎ
小雨降る 夕暮れを ドライブする。
その人が望んで 私の手を取り
緩く繋がれた手。
その暖かで 逞しい指先は
この季節 常に冷たい私の指先を
何度も何度も 優しくなぞる。
昨日の 私の漠然とした不安は
いったいどこへ 消え去ってしまったのだろうか…
そう 思わせる
今日この一日。
今日は一日 理事長と過ごしました。
朝9時
昨夜 遅くまで夜更かしをしていた私は
まだ、布団の中でウダウダとまどろみながら
物思いに耽っていました。
それを破ったのは 理事長からのコール。
今日の予定は?
俺はこれから職場に行くけど
君は?
行きたいと言っていた展覧会
あれ、どうする?
矢継ぎ早の質問攻めに
起き抜けで うまく働かない頭を駆使しながら
とりあえず、逢いに行きます〜。
と 私は答えました。(苦笑)
この週末は お互いに
小休止 の週末になる そういう予定で
私は居たつもり だったのですが
あなたも
そのつもりのあの発言、じゃなかったの〜?w
などと 思いながら (笑)
あなたに貰った ハイフェッツのヴァイオリンを
車中に 充満させて
私は車をひた走らせるのです。
午前中は あの部屋で過ごし
午後は少し 遠出をしました。
車中 それはさながら
暴露大会と言わんばかりのソレで(笑)
現在の 互いの心境というものを
言葉にしてそれぞれ言い合う
そういう時間になりました。
仕事に専念しなきゃ と言ったのは
周りの目を気にしてのことなんだよ。
あまり浮かれて 仕事にミスでもしたら
お互い立場を危うくするだろう?
俺はいいとしても
君がそれで追い込まれるのが怖かったんだ。
あの日から ずっと今まで
私は自分を押さえ込んでいましたから、
こう言いたい、こうしたい
そう思っても ずっとそれを我慢していました。
京都 ご一緒することが決まったとき
すごく安堵したんです。
これでやっと、この日が来れば
何も気にせず 私は理事長と一緒に居られるって。
いい年したオヤジがさ
若い女性と一緒に仕事ができるって、そういう状況に
浮かれて ウツツを抜かして
安易に欲望だけに流されてるって
そう思われてるんじゃないかって
そう思われたら 嫌だなぁって思ってた。
京都 ご一緒したいって思って
色々その 大義名分ってものを考えたんです。
どうしても 一緒に行きたかったから。
でも、考えれば考えるだけ
都合のいい理由が見つからなくて
結局 素直に正直に
一緒に行っていいですか?
そう 言ってしまいました。
自分の中の君の割合を減らそうなんて
格好つけて言ったけど
これって 全然自分の意思とは正反対で
笑っちまうよなぁ
そうしよう そうしなきゃと思っても
本心はまったく
そうじゃ無いんだもんなぁ。
理事長をそうさせたのは
私だと思っていますから
色々と、想いを廻らせていらっしゃるでしょうけど
私は ずっと
ずっと前から
…
これは これだけは
そのとき何故か言えなくて
暫しの沈黙の後に
理事長の次の言葉が それに被さるのです。
京都 一緒に行くって決める前までは
まだ先だと思ってたけど
こうなったら 早くその日にならなかなぁって
思うよな…。
この人を 一人の男の人として
愛さずにすむ
そんな理由を これまで
何度も何度も 考えたりしました。
結論なんて 今はまだ
到底、出せそうにありませんが
あなたの傍らに 私が居ることを
望まれるとするならば
それだけを免罪符に
私はずっと そこに居続けたいと
それだけを 想っています。
2008年11月15日(土)
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