* たいよう暦*
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2004年09月14日(火) 山のマナー

私が登った西穂は、独標(どっぴょう)から先は、ひょいひょいと気軽に行けないぐらいの岩場もあったし、登り下りの繰り返しのいわゆる「しんどい道」が続く。
だから、独標から先は、ぐんと人が減る。
でも、独標までは比較的簡単な道が多いので、ツアー客をたくさん見かけた。
高所が好きで岩場が平気な私にはなんとかなった道だけれど、独標の手前でも一部よじ登るような感じのところがある。
登るのも大変だけど、下るのは垂直に切り立っているように見えて、怖い人には怖い道だろうなあと思った。
案の定、ツアー客のおばさんが斜面にへばりついて、恐怖で一歩も下れなくなっていた。
もちろん、前後は大渋滞。
ガイドさんは、「一歩だけ前に踏み出しましょう」「ここ、ここは安定しています」と声をかけて誘導している。
なんとか、下り終わったそのおばさんが言うことには・・・
「こんなところなんて、聞いてなかった・・・!」
前後で、長い間彼女が下るまで、ひたすら待っていた人たちに謝るより先に言った言葉がそれ。
・・・・・自分で申し込んで連れて来てもらったのでしょう〜?と文句の一つも言いたくなった。
足がすくむのは、当然だと思う。
それによって、人によって登り下りに時間がかかるのは、当然だし、仕方ないことだと思う。
でも、それならそれで、人が少なくなるまで自分はよけて待つ、とか、人に道をゆずるとか、迷惑をかけない方法はいくらでもあるのだ。
山には山のマナーというものがある。
道をゆずりあったり、助け合ったり、小さな情報を交換しあったり・・・一つの山を共有するための、最低限のマナー。
そのマナーすら守れない一部の非常識なツアー客が、わからないままに無謀に山登りをして、マナーを守っているツアー客や、一般登山客に迷惑をかけるのはどうかと思った。

山はひとつ。
みんなで一緒にその山を楽しめたらいいのに、と思う。


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