アタシのお楽しみ。 ただただずっと。 人波をボーと眺めること。 それが好き。
病気をする前は、わざわざ都会まででて。 ショッピングをするでもなく、人波を眺めていた。 ここは。 少し歩けば、真っ直ぐに歩けないほどの人波があって。 昼間は暑いから、夜。 すももをおさるに頼んで。 出かける。 人波を眺めながら、見知らぬ人の延長線を想像してみる。 ひとり、ひとり。 楽しいことも嬉しいことも悲しいことも辛いことも。 ひとりひとり、いろんな感情がその空間を漂っている。 アタシの想いも、そこへ放り投げる。 受取手のない、想いをそこへ……。 二時間もすれば、こころがスッとして。 また。 現実に戻れるんだな。
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