朝。 だらだらと寝ていたら、部屋へ誰かが入ってくる気配がして。 「おさる、クラッカーだったら、お米の横にあるよー」 と言った。おさるが先に起きて、朝食用に買ってあった、クラッカーを探しに来たのかと思った。 ところが、いつもだったら布団から絶対に出てこないすももが、勢いよく飛びだして、キュイーンキュイーンと甘えた声をだす。 眠たい眼を擦りつつ、頭を上げると、おさるではない影。 えっと、えっと、とまだ麻痺している頭を何とか起こしつつ、ぼんやりと見ると、何と元相方さま。 先日、アパートの合い鍵を渡してあったっけ。 何でも昨日は『飲み』が入って、完徹したとのことで、朝一番にここへ来たみたい。 パパさん大好きっ子のすももは超ハッスル犬になって、一度用を足してから、眠そうな元相方さまをアタシのベッドへ寝かせてあげたら、すもも、も、一緒にダイブ。 レポートでこれまた完徹していたおさるも、がちゃりという音は、アタシがゴミ捨てに行った音だと思っていたらしく、そこに父の姿があって驚いていた。 元相方さまはすとんと眠りの中。 そしておさるは慌ただしく大学へ。 あまり音を立ててはいけないと、アタシはパソへ集中したせいで、小説の続きを書くことができた。 元相方さまは、しばらく寝て、あとはうとうとしながら、家の話、ゆきのやヘビくんの話、いろいろしてくれた。 アタシはアタシで、今の状況やら、おさるの話やら、すももの話などする。 とても穏やかなひとときだった。 えっと。 リコン、しているのだけれど……。 結局夕方までいて、おさるの帰りを待ち、一緒に外食がしたいと言いだした。 アタシは、こんなに舞い上がっているすももをひとりにさせておくことができずに、二人で行って来なよ、と言ったのだけれど。 栄養を心配しているのは、むしろ、アンタにだけれど、と言って、なかなか案が決まらずに、最後は元相方さまが折れて、アタシの案の、近くにあるオリジン弁当でお弁当を買って、家で食べることにする。 外は雨がすごく降っていて、アタシは完全武装しながら、お弁当を買いに。 その途中、ふと耳に流れたスキマスイッチの、ボクノート。
僕がいるこの場所はすこし窮屈だけど 愛に満ちた表情でぬくもり溢れて そして君の声がする スキマスイッチ ボクノート
というフレーズ。 何だかすごく温かな気持ちになった。 すごく嬉しくなった。 別々になって、こんな気持ちになる。 とても不思議な想い。 外は冷たい雨だったけれど、家の中もすきま風が吹いて寒かったけれど、とても良いいち日を過ごせたように思う。 さあ帰るという時になって、なぜか別れがたくなって、『明日のパンを買う』と、駅に向かう途中にあるコンビニまで見送った。 こんな冷たい夜に、ひとりで歩かせたくなかった。 あまり付いていくと、今度は向こうが心配になると言うので、本当に少しの距離だけ、だったけれど。 あれ、何だかのろけ話になっているね。 けれど、人生は何があるかわからない。本当にいろいろなことがある。 こういう気持ちも、離れたからこそ気付いたのかもしれないからね。
ということで。 昼間にサクサク小説を書いていたので。 『初恋Rainbow』の12話を、upすることが出来ました。 アタシにしては異例の速さ。 何だか生き急いでいるようだな。
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