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憂いの泉
イズミ
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2005年09月18日(日)
ディープブルー2


大学のサークルで出会って、
1年後くらいに付き合いだして、
その前後からも「何かあるのかなー」って
くらいしか感じでなかったけど、
付き合い始めたらやっぱりそういうことは
話しておかなくちゃいけないと思ったようで、
少しずつ私に写真屋さんのことを話してくれました。



止めていた歩みを、少しずつ踏み出した。



図書館に連れてってくれて、
そのときの新聞記事を見せてくれた。

近くの砂浜に遊びに行って、
始めは寄せる波を遠くから眺め、
貝殻を拾ったりしながら、
波に足をつけることができるまで回復した。

小説の「黄泉がえり」を私に紹介してくれた。
ちょうどその時期に映画化もされて、
それも一緒に見に行った。

「ノルウェイの森」を紹介してくれたのも彼女だった。

「ノルウェイの森」という本も、
そしてそれを彼女が紹介してくれたということも、
すごく時分にとって意味深に見えた。

ジャック=マイヨールの小説も教えてくれた。

小学校の修学旅行で泊まったホテルも見に行った。
もちろん写真屋さんとの思い出の場所の一つ。



でも、そのとき未だに海への抵抗があったということは、
彼氏がいながらも昔好きだった人のことを
引きずっているということで、
それが彼女を違うところで
苦しめているというのもあったかもしれない。



しかしながら、彼女の歩みは一進一退ではあったけれども、
確実に前に進んでいった。

彼女が自覚している以上に、
彼女は普通の女の子に戻っていった。




エンピツ