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憂いの泉
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2006年02月07日(火)
駅まで彼女を送った帰り道。


冬の夕暮れ
雨上がり
冷たい空気

中華料理屋から出てくる黒い集団
四角い桐の箱を抱えた人
遺影を抱えた人

明治通りを走り抜ける救急車
軽くクラクションを鳴らして進路を譲り合う車
歩道に強引に止められたインフィニティ

明るくてきれいだけど人気の少ない花屋さん
オープンカフェの無数の雫をのせたテーブル
雨をかぶらないようにビニールをかけられた自転車たち

点滅する信号を走って渡る私
夜の帳
近くで聞こえるサイレン




全てに内在する死。

死ぬ気になればなんでもできると人は言う。

死ぬ気で生きている今。

なんと、充実していることか。





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