私の雑記帳
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2009年08月07日(金) 大原麗子と「獅子の時代」の思い出

私が見たことのある数少ない俳優の一人である大原麗子が亡くなった。

大原麗子を見たのは、高校1年の夏休みだった。
父や知人らと何か用事があって上京したついでにみんなでNHK放送センターの見学コースに立ち寄ったが、その日は好きで見ていた大河「獅子の時代」の撮影はなかった。夏休みの間に、私は同級生の友人と東京に日帰りで遊びに行く計画があったので、私はNHKに「獅子の時代」の撮影がある日はいつか?と往復はがきで問い合わせてみた。するとそれについての返事をいただいた。文末には「この葉書をもって、事務所の方にいらっしゃい」と書かれてあった。
私は、馬鹿正直にもその葉書をもってNHKを訪ねた。すると、事務所の方々が何か話しているようだったが、「撮影は○時からなのであと1時間くらいしてからもう1度来てください」と言われた。何がなんだかその時はよくわからなかったが、とにかく時間をつぶして再び事務所に行くと、今度は若い女性が出てきて「ご案内します」といって私たちを見学コースではない、いわゆるスタジオの方へ案内してくれたのだ。
田舎の高校生の私たちに、その女性が「部長のお知り合いですか?」と歩きながら尋ねてきた。私は撮影スケジュールを問い合わせたら返信ハガキに事務所を訪ねるよう書いてあったと伝えた。
とにかく、それで見学コースではなくスタジオの隅から見せてもらったのが「獅子の時代」の大原麗子の出演シーンだった。
もちろん、スタジオ内に入るという経験自体が初めてだったので、すごく緊張した。本物の俳優を見るなんていう機会はそうはない。

いまでも、その時に私のハガキの返事をくれたのが誰かはわからない。
(葉書に差出人の名前はあったのだが、スタッフの重要度など知るよしもない高校生であったことと、そのハガキをその後に紛失してしまっている)
もしかしたらプロデューサーご本人であったかもしれないと後年、仕事の同僚に言われた。
だいたい「今度見学にきたら事務所を訪ねていらっしゃい」なんて書いてくれて、おかげで特別待遇のスタジオ見学なのである。(大河だけでなくいろいろ案内してもらった)
とにかく、そんなわけで大原麗子と聞くと「獅子の時代」を思い出す。
たとえ気まぐれでもあの頃は、そんな視聴者に優しいスタッフもいたのどかな時代だった。


pearl〈パール〉 |MAIL

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