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■ 心を売る機械
夢をみた。
駅のホームを出て、地下道をまっすぐ歩き、しばらく行ったところを右に曲がると、そこに一本の細い通路がある。その通路の先に、心を売る自動販売機がある。
既に何人かの人が並んでいた。その場にいる人たちは皆、陰欝な表情を浮かべ、決して言葉を交わすことはない。ずっとうつむいたままで、心がどこか遠いところにあるように見えた。
私も並んで、自分の順番を待った。やがて私の番がまわってきて、その機械の前に立った。自動販売機には、 『不安がなくなる』 『気分が高まる』 『よく眠れる』 など、12種類ぐらいの商品がある。
私は、『不安がなくなる』のボタンを押した。すると、胸につかえていた不安が取り除かれ、少し心が軽くなったような気がした。
自動販売機の前には、どこからともなく人がやってきて、足取りは絶えることがない。
その場を後にして、私は元いた雑踏の中へと戻っていった。何も変わらない、現実の世界へと。
やがて雑踏の足音は遠のいていって、すっと夢から覚めた。
2006年01月28日(土)
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