おうち鑑賞

2010年09月10日(金) 『ラブ・アクチュアリー』 『プロヴァンスの贈りもの』 『普通じゃない』


『ラブ・アクチュアリー』Love Actually 2003年英=米 リチャード・カーティス監督


基本的に『ホリデイ』同様、この手の作品にあーだこーだ言うのは

野暮なのかもしれないとは思う。

にしても、結構評価が良さげなのにはびっくりする。

堅苦しいこと抜きに、ライトなエンターテイメントなノリに

自分の中のピントの標準を合わせて見れば、それなりに面白いとは思うが

数組のカップルの愛の行方、愛の形を同時進行させているので

深く掘り下げられず詰め込まれて、表面的な描写にとどまっているように感じる。

それぞれは面白い設定のカップルだから

もっと掘り下げた関係性を見てみたい欲求が残る。

そして物語の中盤以降、バラバラに見えていた人間関係が実はどこかで

つながっていた・・・という件も、自分の中では予定調和に感じることだった。

たぶんキムタクが総理大臣になるドラマなんかが

好きな人にとっては、はまる映画なんじゃないかと思う。

ひねくれてるかしら。

リチャード・カーティス監督は『ブリジット・ジョーンズの日記』の脚本を書いた人だそうだ。

『ブリジット・ジョーンズの日記』の方が断然良いと思える。








『プロヴァンスの贈りもの』A Good Year 2006年 リドリー・スコット監督


リドリー・スコット監督作品なので、レンタル店で見つけた時には

小躍りするぐらいうれしかったのだが

イマイチ何に焦点を合わせているのかよくわからない作品だった。

期待が大き過ぎた落差は差し引かなくてはならないにしてもだ。

金融界であくどい手法もいとわずマネーゲームに身を投じる男を演じる

ラッセル・クロウが、叔父が遺したぶどう園とどう関わっていくか、

マネー業界の男がどう変貌を遂げるのか、そういう物語なのだ解釈して見る。

しかし男が変化したにはしたが、変化の過程に説得力がないと思う。

それにラッセル・クロウをめぐる人たちとの関係も釈然としなかった。

方向的にはハートウォーミングな物語なのだと思う。

そっちの方向へ、もっとベタに向かった方が

かえって物語の特色がハッキリしたんじゃないのかなあと思う。






『普通じゃない』A Life Less Ordinary 1997年 ダニー・ボイル監督


ダニー・ボイル監督作品なので、小ひねくれたところがあるかと

ちょっと身構えていたが、思いの外(物語の設定は普通じゃないかもしれないが)

意外とフツーにキュートなラブコメディだった。

ユアン・マクレガーとキャメロン・ディアスの迫力ある?ボケ、ツッコミが

リアルに笑えて魅力的。

ロマンチックな物語の中の登場人物の男(ユアン・マクレガー)が

清掃業に就いている設定もいいと思う。

弁護士や医者、カタカナ職業など、ある意味権威主義の現実離れした設定ではなく

掃除夫(低階級層と見なされている=労働者階級=一般庶民)が

汗と涙にフォーカスした物語ではなく

ロマンチックなラブ・コメディの登場人物でもあるべきだし

それがリアルでもある。

これはウォン・カーウァイ監督作品を見た時に初めて感じたことだ。

その時の感覚を思い出す。

再見する。








 < 過去  INDEX  未来 >


Barbara [MAIL] [バイオトープの庭]

My追加