おうち鑑賞

2010年09月13日(月) 『Vフォー・ヴェンデッタ』 『チョコレート』


『Vフォー・ヴェンデッタ』V for Vendetta 2005年/米=独


『プリシラ』のヒューゴ・ウィービングが仮面の男を演じているということを知って見る。

ヒューゴ・ウィービングは温かみのある良い役者さんだと思う。

全く素顔の出ない役柄は見ていてちょっとジレンマに陥った。

良い役者さんだからこそ仮面の男の感情を表現できているのだろうが

それだけに生身の姿を見てみたい欲求が沸いてくる。

例えば、顔の一部だけでもさらすシーンを作ってしまうと

物語が根本的に違ってしまうのだろうか?

(そうでもないような気もする。)

独裁政治に支配された世界に仮面の男が報復、復讐活動を企てる。

独裁政府に支配された生活におびえる人々。

物語の設定や1コ1コのエピソードに引きつけられはするが

現実と現実離れした表現が上手く合わさってないように思う。

細かい部分を言えば、仮面の男Vとイヴィーのロマンスを感じさせる

シーンが(ふわっと香る程度のニュアンスでいいから)

あと1〜2場面あった方がいいと思う。

Vの報復活動とのコントラストで双方の視点がハッキリするのでは。

何だかモヤモヤ感が残る。

監督は『マトリックス』の助監督のジェームズ・マクティーグという人で

製作・脚本は『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟なのだそうだ。

なるへそ、という感じである。







『チョコレート』Monster's Ball 2001年 マーク・フォースター監督


エンドロールが上がってきた時

改めて原題の『Monster's Ball』を見て

なぜゆえ邦題が『チョコレート』になったのかと不思議に思った。

だって原題と邦題の訳がかすりもしていないではないか。

作品の中からチョコレートというモチーフを引っ張り出してきたのは

苦肉の策というか、ある意味すごいと言えばすごい。

ヘビーなラブストーリーであった。

黒人差別主義の看守の男と、男が最期に立ち会った黒人死刑囚の妻との

ラブストーリーが主軸なのだが、看守の男の背景にある親子の関係性が

自分の中でフォーカスされ心に響いた。

親子のあり方が胸に刺さってくる。

ハンクが父親を施設に入れる手続きをする場面、

お父様を愛しているんですね? と、施設の職員から言われ

いや全然 と、即答するシーンが印象に残る。

ハンクに軟弱と罵られながら自殺した息子、

父親を愛していた息子を演じていたヒース・レジャーの演技も印象に残る。

『ダークナイト』のジョーカー役だったと知ってちょっとびっくり。

(ジャック・ニコルソンのようであった。)

『ブロークバック・マウンテン』を見た時は、レビューの高評価ほどまでに良いとは思わなかった。

『Dr.パルナサスの鏡』という作品が遺作なのだ。

時間を置いて『ブロークバック・マウンテン』再見したいと思う。








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Barbara [MAIL] [バイオトープの庭]

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