おうち鑑賞

2010年09月25日(土) 『霧の中の風景』


『霧の中の風景』Topio stin omichli  1988年/仏=ギリシャ=伊
        Landscape in the Mist
        テオ・アンゲロプロス監督


NHK-BShiで録画したのを見る。

本当は『シテール島への船出』1983年/ギリシャ を先に見たのだが

夜中に見始めたため、睡魔に襲われまだら見みなってしまった。

ただ映像の美しさに打たれた印象は強く残る。

色彩、構図など、感覚的に違和感を感じたり、嫌だと思う所がただの1ミリもない。

透明感という点で北野武監督の映像と少しオーバーラップした。

テオ・アンゲロプロス監督の作品を初めて見たのは『旅芸人の記録』だ。

映画館でリバイバル上映を見たのはずいぶん前のことだ。

当時はテオ・アンゲロプロス監督作品の見方が感覚的によくわからず

(今もそうだけど)心のどこかでスゴイ映画なんだという確信みたいな

ものだけはあって、でも見てると睡魔にも襲われてしまうという。

正直今もテオ・アンゲロプロス監督の真髄はわかってないと思うけど

テオ・アンゲロプロス監督の作品を見てしまうと

他の全ての映画が、いかにも虚構の世界の産物と思えてきてしまう。

何をチャラチャラしとるのだ、と。

そういう感情が湧いてくることの良い悪いは別として。

まあ、他の映画を見始めるとスグそちらの世界に入り込む

スイッチに切り替わるのだけど。



一見淡々とした雰囲気だけど、ちゃんと(巨匠の作品をつかまえて

ちゃんともクソもないが)構成上のポイントが存在しているんだなあと思った。

分解?を意識して見ると土台はシンプルだ。

胸を打つ作品は土台がある。これって例外はないと思う。

良い作品はみなそうなのだ。








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Barbara [MAIL] [バイオトープの庭]

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