『霧の中の風景』Topio stin omichli 1988年/仏=ギリシャ=伊 Landscape in the Mist テオ・アンゲロプロス監督
NHK-BShiで録画したのを見る。
本当は『シテール島への船出』1983年/ギリシャ を先に見たのだが
夜中に見始めたため、睡魔に襲われまだら見みなってしまった。
ただ映像の美しさに打たれた印象は強く残る。
色彩、構図など、感覚的に違和感を感じたり、嫌だと思う所がただの1ミリもない。
透明感という点で北野武監督の映像と少しオーバーラップした。
テオ・アンゲロプロス監督の作品を初めて見たのは『旅芸人の記録』だ。
映画館でリバイバル上映を見たのはずいぶん前のことだ。
当時はテオ・アンゲロプロス監督作品の見方が感覚的によくわからず
(今もそうだけど)心のどこかでスゴイ映画なんだという確信みたいな
ものだけはあって、でも見てると睡魔にも襲われてしまうという。
正直今もテオ・アンゲロプロス監督の真髄はわかってないと思うけど
テオ・アンゲロプロス監督の作品を見てしまうと
他の全ての映画が、いかにも虚構の世界の産物と思えてきてしまう。
何をチャラチャラしとるのだ、と。
そういう感情が湧いてくることの良い悪いは別として。
まあ、他の映画を見始めるとスグそちらの世界に入り込む
スイッチに切り替わるのだけど。
一見淡々とした雰囲気だけど、ちゃんと(巨匠の作品をつかまえて
ちゃんともクソもないが)構成上のポイントが存在しているんだなあと思った。
分解?を意識して見ると土台はシンプルだ。
胸を打つ作品は土台がある。これって例外はないと思う。
良い作品はみなそうなのだ。
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