2010年10月06日(水) |
『心の旅』 『マネートレーダー 銀行崩壊』 「でぶ」 |
『心の旅』Regarding Henry 1991年 マイク・ニコルズ監督
心に響くテーマだと思う。最適な形で表現されていたらの話。
ハリソン・フォード演じる辣腕弁護士が
強盗にピストルで撃たれる不慮の事件に巻き込まれ
ハンディキャップを負ったそのリハビリの過程で
家族と共に人間らしさを取り戻していくという物語だ。
あまりにも「弁護士」悪 VS 「仕事を離れる=家族と共に生きる」善
という単純な構図が、物語り全体の説得力を削いでいる。
登場人物の気持ちの変化にイマイチ説得力が感じられない。
多角的な視点が欠落していると思う。
ラストのキレイな落とし処に、そんな簡単なもんじゃないでしょ、と
思ってしまうのは中身の問題なのだ。
とりあえずハリソン・フォードが格好良く見えればOK的なスタンスの作品だったら
あーだこーだ言うのは野暮なんだろう。
『マネートレーダー 銀行崩壊』Rogue Trader 1999年=英 ジェームズ・ディアデン監督
ベアリングス銀行を破綻させた銀行トレーダーの
手記をもとに製作された映画らしい。
実録映画なのだそうだ。(と、後から検索して知った。)
ユアン・マクレガー演じるザ・西洋人の銀行とレーダーと
東洋人スタッフたち。ビジュアル的に水と油。
事件の現場となったのが東洋だったからなのだ。
何でわざわざユアン・マクレガーと東洋人を組み合わせる必然性が
あるのだろうと思っていたのだが、それで合点がいった。
外国で作られた変な日本紹介のビデオを見せられているようだ。
いくら実録ったって、もうちょっと映画にオーガナイズする意識が
必要なのでは?と思ってしまう。
何の物語かよくわからないままスタートして、何となくラストになってしまった
物語の芯も、登場人物のキャラクターも、魅力もヘッタクレもない
B級とも呼びたくないタイプの映画だった。
おかげでアドレナリンは活発に。
「でぶ」
レイモンド・カーヴァー傑作選 レイモンド・カーヴァー著 村上春樹編・訳
収録された短編、読む。
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