2010年11月02日(火) |
『私がクマにキレた理由<わけ>』 『真珠の耳飾の少女』 |
『私がクマにキレた理由<わけ>』The Nanny Diaries 2007年 シャリ・スプリンガー・バーマン/ロバート・プルチーニ監督
スカーレット・ヨハンソン デーである。
スカーレット・ヨハンソン見たさと、予告編を見て
気軽に楽しめそうな映画だと思ったので見てみることにした。
あまり期待してなかったけど思っていたより面白かった。
しかしながら、セレブの家でナニー(子守)として働くという
自分探しの舞台の設定が面白くない訳じゃないけど
物語の核心は一体何なのだ?と思ってしまった。
スカーレット・ヨハンソン演じる大学卒業後の進路に惑うアニーが
ひょんなことからナニー(子守)として働くことになった雇い主セレブ夫婦の不和や
親子関係に巻き込まれたすったもんだが
アニーの成長に、何がどう関係したというのだ?
アニーが何かをつかんだ、みたいなニュアンスの
エンディングになっていたと思うが、わかったようでよくわからない。
部分、部分は面白いけど、物語の芯があやふやだと思う。
わがままセレブのミセスXの
「子供の頃、母親にペンダントをプレゼントしたら拒否された。
悔しいから今も捨てずに取ってある」(だいたいのニュアンス)と言った台詞は
ミセスXのキャラクターの背景が伝わってきていいなあと思った箇所。
突っつかなければ気軽に楽しめるタイプ。
『真珠の耳飾の少女』Girl with a Pearl Earring 2003年 英=ルクセンブルク ピーター・ウェバー監督
この映画のポイントは、フェルメールの絵画の世界をまるで
そこにあるかのように再現しているところ。
フェルメール自体詳しくないけど、スカーレット・ヨハンソン演じる
グリードが本当の「真珠の耳飾の少女」と思えてしまうくらいだった。
これ以上でも以下でもない、そういう作品だ。
登場人物たちのキャラクター(関係性や葛藤など)イマイチ伝わってこなかった。
コリン・ファースが演じるフェルメールは
芸術家というより、誠実な常識人が勝って見えた。
子供をたくさん作って、女にも手を出して?、芸術に没頭する
そういう浮世離れした芸術家気風の筋が通ってないように見えた。
魅力的な俳優なのにもったいない。
貧しい家の娘グリードがフェルメール家へ下働きに出る。
グリードはフェルメールの絵に引かれ、フェルメールはグリードに絵の具の調合を教える。
グリードはフェルメールの絵のモデルになる。
これらを軸に、フェルメールの妻の嫉妬が絡んだり、
フェルメールの絵を依頼するパトロンとの駆け引きがあったり。
これらの物語が感情移入するポイントなく進行しているから響いてこないのだと思う。。
つまり登場人物の行動が、感情とつながるものではなかったのだ。
ゆえに物語は、フェルメールの世界を忠実に再現した「付けたし」になってしまったのだと思う。
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