2010年11月03日(水) |
『やさしい嘘と贈り物』 『それでも恋するバルセロナ』 |
『やさしい嘘と贈り物』Lovely, Still 2008年 ニコラス・ファクラー監督
ドラマの在り方として納得出来ない。
認知症?精神的な病?によって記憶が消失する老夫のために
妻や子供たちが愛するがゆえの「やさしい嘘」で寄り添うという話はいいと思う。
ただ事の真相を明かすラストに至るまでに
その真実に対する伏線や種の仕込みが皆無に見える。
伏線や種がないまま、真相を明かす場面があるのはルールに則っていないと思う。
滅茶苦茶に見えるものであっても、そこに真実があれば腑に落ちるものだ。
家族が病気の家族のために付き添ったいきさつ、
それ以上でも以下でもない印象になっている。
あとから検索すると、この作品を監督したのはこの作品が初監督の
かなり若い監督さんだと知った。
一概には言えないかもしれないけど、こういう人生を重ねてきた
登場人物たちの物語を、20代の監督さんが深く描写仕切れなくて
当然なのだろうと思う。
老夫婦を演じたマーティン・ランドーとエレン・バースティンという
俳優さんたちはスゴイ人たち?らしい。
先生的な立場で応援した意味もあるのだろうか。
マーティン・ランドーとエレン・バースティンの出演作品を見てみたいと思う。
『それでも恋するバルセロナ』Vicky Cristina Barcelona 2008年 米=スペイン ウディ・アレン監督
ウディ・アレンを役者として見ると
個人的好みの問題としてゲンナリしてしまうのだが
監督として見ると、とにかくウディ・アレンの作品に間違いはないと確信できる。
作品の出来の比較、好き嫌いはさて置き
ちょっと不自然だなあとか、まあこの位は目をつぶって見るか、
とか思ってしまう事は皆無だ。この作品もそうであった。
物語がどういう運びになっているかというより
ずいぶん前に関わった劇作家さん主宰の劇団で経験したことが
(自分は当事者ではなかったが)オーバーラップする方に頭が行く。
大なり小なり身近にあったことだ。
自分は変な言い方だけど、そういう世界を居心地良く感じていたので
この作品を刺激的とかエキセントリックとか感じずに
この世界観を居心地良く見た。
一般社会のすったもんだはまた別モノような気がする。
非常識とみなされていることが蔓延する居心地の良さ。
時間を置いて再見するかも。
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