おうち鑑賞

2010年11月17日(水) 『メトロポリス』(独) 『ボディ・バンク』


『メトロポリス』Metropolis 1927年 独 フリッツ・ラング監督


NHK-BSで放送予定だったので、先に作品についてチラ見検索する。

作品のプロフィールを読み、すごく楽しみにしていたのに

国会中継か何かで中止になってしまい、余計に見たい気持ちがつのる。

レンタル店で擦り切れ一歩手前的なVHSテープを見つけて

ま〜あっただけ良かったか、と思うことにしてレンタル。

後から検索するに自分が見たのは、1984年にジョルジオ・モロダーという作曲家が、

元のサイレント作品に音楽をつけて編集したバージョンのものらしい。

音楽のことはよくわからないが、安物の『フラッシュダンス』的な

音楽が作品と分離しているようでもあり、逆に(例えそんな安物?でも)

音楽があるから、サイレント映像に引き込まれるところもあるようにも思え、

音楽の存在は創造的というより「必要悪」という感じ。



びっくりしたのはこの作品が1927年製作だということだ。

近未来都市の風景、地下工場で働く労働者達のマスの迫力。(半端じゃない)

芸術的なロボットの魅力。

日本は、大正時代が終わり昭和になったばかりの頃ではないか。

そんな時代に、こんなSF映像が存在していたなんて驚きだ。

普通バージョン(音楽なし?バージョン)も見てみたい。








『ボディ・バンク』Extreme Measures 1996年 マイケル・アプテッド監督


ヒュー・グラントが出演しているので見てみることにした。

細かい事を抜きにして言えば、普通に面白く成立している作品だと思う。

だけど、ヒュー・グラントである必然性を感じなかった。

この登場人物だったら(若かりし日の)ハリソン・フォードが適役に思える。

社会派を背負った人物は、ヒュー・グラントを生かしきれないように思う。

ヒュー・グラントは色恋沙汰の方が似合う。(餅は餅屋)



物語の在り方として引っかかったのは、ヒュー・グラントを善、

ジーン・ハックマン演じるホームレスを人体実験に使う

地下組織的研究所の所長を悪とする構図だ。

研究所の所長が行っていることは確かに悪には違いないんだけど、

病気を治したいという志が歪んだ形になってしまっているわけで

その辺のところを、単純な「悪」とせずに、

もっと深く人物描写出来ていたら、深みのある作品になっただろうと思う。

これだと、作品の中の単なる悪者要因の役割にしか見えず

所長を演じるジーン・ハックマンが、ちょっと気の毒な感じ。

この作品を見て、ハリソン・フォードの存在価値を再認識した

という印象。








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Barbara [MAIL] [バイオトープの庭]

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