『眺めのいい部屋』A Room with a View 1986年 ジェームズ・アイヴォリー監督
この映画を見るための気持ちが向かいきれていなかったせいかなあ。
佳作で良い作品だ。だけど、どこか乗り切れずに見た感じだ。
ルーシーを演じたヘレナ・ボトム=カーターという女優さんの
一種強烈なヘアスタイルが全編通して気になり続ける。
作品において、そのヘアスタイルが突っ込み要因ではないことはわかる。
しかし、頭の上にチャウチャウ犬が丸ごと一匹乗っかっているように見えて仕方なかった。
ハリー・ポッターシリーズでマクゴナガル先生を演じている
マギー・スミスという女優さんが出演していた。
クセのある面白い人物を魅力的に演じていて味がある。
当初『モーリス』のモーリス役で出演するはずだったという
ジュリアン・サンズという男優さんの演技を見て、口惜しい気持ちは消滅した。
ジェームズ・ウォルビーの演技がどこか物足りない感じがしていたので
写真を見る限り、美貌のジュリアン・サンズがもし予定通りに
モーリスを演じていたら、どんなに素晴らしいモーリスになっていただろうと
想像を膨らませていたのだ。しかし、ジュリアン・サンズの演技は
この作品を見る限り可もなく不可もなくという印象だった。
モーリスはジェームズ・ウォルビーが演じて正解だったのだ。
自分本位でオタク?の貴族を演じていたのが『マイ・ビューティフル・ランドレット』で見た
ダニエル・デイ・ルイスだったとあとから知ってびっくり!
全くキャラクターが違う。
何気ないシーンが印象に残っている。琴線にふれる。
そして、多くが『モーリス』と同じキャストだった。
二番煎じ的に見えてしまった、は言い過ぎだけど、
その辺りが、乗り切れなかったことと関係しているのかもしれない。
そういう意味で『モーリス』を先に見ることができてよかった。
人物描写のための器(構成)は、ぐっとくる。(よくわかってないなりだけど)
E・M・フォースターの原作に添う形で
ジェームス・アイヴォリー監督が上手く映像化しているのだと思うが
もう少しポップな演出でも有りじゃないかなと思う。
『エマ』とまでいかなくても、ちょっと自分の頭の中で軽く置き換えて遊んで?みる。
乗り切れなかったぶん、時間を置いて再見する。
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