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初めての面接だった。 彼と夜、焼き鳥を食べに行った。 ビールで乾杯して。 彼の愚痴を聞きながら。 彼の理想論も、やりたいことも、ジレンマも、 わかる気がした。 わかる気がしたけれど・・・ 欠点も、見えてた。 あたしに、多分甘ったれのあたしにだから、 わかるような欠点。 それを多分、あたしはずっと感じてたんだ。 でも、彼は、ストレスを感じてたし、いえなかった。 可愛く共感してあげる彼女でいたかったのかもしれない。 でも、お酒も手伝って、あたしは本音を彼に言った。 あたしはまだ何もわかっていないけど、 そんなあたしから見たらね・・ と、前置きをして。 あたしの言葉に、しばし彼は考えて、 ビールをくいっと飲んで、 でも、図星だな。 と言った。 そこからは、いろんな話をした。 可愛くない意見もしたし、彼をはげましたりもした。 だって彼のイイトコロもめちゃくちゃ知ってるからね。 彼は、とてもすがすがしい顔をしていた。 いつもおごってもらっちゃって。 ありがとう。 お会計の後店を出て、そういうと いやいや。愚痴、聞いてもらって、話して、 すげえすっきりした。明日は頑張るぞ。 とにこっとした彼を見て、 ああ、よかった。 彼がここでこういってくれて。 と思った。 このまま、最近のぐちぐちの彼だったら あたしはだんだん彼に、幻滅していきそうで怖かった。 こんなときは誰にでもあるってわかっているのに。 今がいちばんしんどいときだってわかっているのに。 就活で、テンションの高い話や夢ばかり聞かされているあたしにとって 今の彼はギャップが大きすぎた。 でも、彼はほんとうに前向きになっていて、 ああ、さすが彼だと、思った。 あたしなんかの言うことに、 お前に何がわかる、と逆上するでもなく 図星だわ、と笑う彼を、やっぱり好きだと思った。 ただ、あたしは、プレッシャーを解放できなかった。 そして、初めてひとつ、選考に落ちた。 二次選考だった。 第一志望ではなかったけれど、けっこう興味のある会社だった。 友達もそのグループワークやセミナーでいっぱいできた会社。 けっこうショックだったけれど、笑ってた。 彼の前で、あたしは。 直哉からメールが来ていた。 その選考の結果について。 |