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「女ってのは大変だな。」
電車に乗ったら、隣の席の酔っ払いのおじさんが話し掛けてきた。見た感じ労務者系。かなり酒くさい。
「そーでもないよ。」
話し付き合う気分だったので、２，３０分なんとなく、通じてるようないないような、
パラパラとした会話をした。
鳥の写真を見て、「これ花かい？」というくらい、目が悪いみたいだった。
粘液系の涙と目やにが溜まった赤い目をしていた。
話ながら手を見た。
乾いていて、硬くて、所々角質が厚い。働いた手だ。
親指の爪の縦が極端に短い。
２センチも無いくらい。指の肉に埋もれて横長の爪。
生きることにおける握力が弱そうな手だ。
そんな爪してたら、他人を引っかくことも、毟り取ることも出来ないじゃんか。なぁ。
「がんばってね。」って、声かけられて別れた。
「元気でね。」って返した。
"がんばれ"かぁ。やっぱ、がんばらにゃあいかんですかね。
せいぜいしゃこしゃこと爪研ぎつつ、明日もまた。
alain
