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華の仕事が忙しくて、朝のお遊びもなくて。 もちろん、あたしも仕事だから、会える時間もなくて。 年越しは一緒にいられない。 華は元旦の仕事が早いから、きっと寝てしまう。 あたしも元旦から仕事だけど、開店時間が遅いから、ゆっくりと時計の針を追えるけど。 でも。 一人きりの年越しなんて。 考えてみれば、生まれて初めてかもしれない。 子供の頃は家に誰かがいた。 学生の頃は友達と夜明かしをした。 恋人が出来れば、恋人と。 結婚してからは、普通に寝ていたけれど。 去年は、いろんなゴタゴタがあったけど、華と一緒だった。 今年、初めて、一人。 さあ、どうしよう、あたし。 何事もなく寝てしまおうかな。 そんな時だから、余計に叶わないかもね。 今年もあと、僅か。 華と一緒にいた一年が終わる。 会えない日が一週間もなかった。 五分だけでも、会えていた。 来年はどんな年になるだろう。 とりあえず、波乱だけは逃れられない一生だけれど。
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